第8話:純白の騎士と、泥濘の重戦車
バルトロメウス伯爵から(恐怖と困惑により)「もう好きにしろ」という事実上の婚約許可をもぎ取ったシグルド。
しかし、そんな彼の前に、王都一の美貌と爽やかさを誇る若きエリート、カイル・フォン・ベルンシュタイン騎士が現れる。
1. 眩しすぎる「正解」の登場
ある日、リアナが王立図書館の資料整理を手伝っていると、そこへカイルが颯爽と現れる。
「リアナ様、お久しぶりです。辺境にいらした頃以来ですね。相変わらず、野に咲く百合のように気高い……」
その光景を、「殺気(あるいは並々ならぬ執着)」を完全に消して本棚の隙間から凝視する影があった。シグルドである。
(な、なんだあの発光体は!? 歯が白い! 言葉がスムーズ! しかもリアナさんと幼馴染だと!? 俺が「土壌の酸性度」とか言っている間に、あいつは「野に咲く百合」だと!? ……勝てん。生物として、"正解"の香りがする……!!)
2. シグルドの「逆走」思考
シグルドは、カイルのあまりの「完璧な騎士感」に、自分との絶望的な差を見出す。
(あのようなキラキラした男こそ、リアナ殿の隣にふさわしい。それに比べて俺はどうだ? 初吻を奪った責任を「切腹」で取ろうとし、実家の門前を滅菌し、義父に「番犬として飼ってくれ」と懇願した男だぞ……? 気持ち悪い。客観的に見て、俺がリアナ殿なら通報している!!)
「……よし、身を引こう。リアナ殿の幸せのために、俺は今すぐ魔獣の生息域に身を投げ、彼女の記憶から消え去るのだ」
と言いつつ、手にはカイルの身辺調査書(厚さ10cm)を握りしめ、目は「裏切り者は許さん(※裏切られていない)」という怒りで血走っている。
3. 爆発する「嫉妬の物理現象」
三人が同席する茶会(カイルが強引にセッティング)。
カイルがリアナの手を優しく取り、「リアナ様、以前お約束した……」と語りかけた瞬間、シグルドの理性が音を立てて砕け散った。
「カイル殿ォ!! その手を離せッ!! その手は、俺が昨日『角度45度』で磨き上げた門をくぐるための神聖な部位だぞ!!」
(カイル:何の話ですか……!?)
「いいか、リアナ殿に触れていいのは、彼女が万が一崖から落ちそうになった時の重力と、このシグルド・ジークフリート(※ただし全身除菌済みに限る)だけだ!!」
「閣下! 言い方が独占欲の塊すぎて怖いです!」
4. 迷走するアピール
カイルに対抗するため、シグルドは「爽やかさ」を演出しようと試みる。
「あ、ああ、リアナ殿。今日の天気は……その、非常に……『爆砕』日和ですね(精一杯の笑顔)」
(※笑顔が怖すぎて、周囲の鳥がショック死して落ちてくる)
さらに、カイルがリアナに一輪の薔薇を贈れば、シグルドは**「対抗して、その薔薇を育てるための最高級肥料(ドラゴンの糞・産地直送)」**を樽で運び込もうとする。




