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異世界翻訳官の私は、無口な英雄の『心の声』が甘すぎて仕事になりません(AI生成)  作者: 第八天龍王 七百七十七印麗院


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第6話:聖なる唇と、騎士団長の切腹志望

潜入捜査で得た古文書を解析した結果、リアナを蝕む「魔導具の呪い」を解く唯一の方法が判明した。

それは、互いの魔力回路を直接繋ぎ、停滞した呪詛を押し流すこと。すなわち――。

「……接吻、でございますか」

賢者の塔の隠し部屋。報告を聞いたシグルドの顔は、かつてないほど「北極の氷壁」のように冷徹で、無機質だった。

だが、その内側ではマグマが逆流し、精神のビッグバンが起きていた。

(……は? 接吻? 唇と、唇を、接触させる? リアナさんの? あの、さくらんぼの化身のような、神の造形物としか思えない至宝に、俺の汚らわしい粘膜を押し当てろというのか!? 罪! 罪だ! 大逆罪だ! ギロチンだ! 今すぐ俺を広場に引きずり出して処刑しろ!!)

(閣下、落ち着いてください! 呪いを解くためですから! 処刑はまだ早いです!)

「……リアナ殿、案ずるな。そのような破廉恥な方法、俺が認めん。別の、例えば俺の心臓を捧げて代償にするような、より騎士らしい道を探す」

(本当はしたい! 死ぬほどしたい! 毎日夢の中で一億回はシミュレーションしている! だが、実戦は別だ! 俺が触れた瞬間にリアナさんがその清らかさゆえに霧となって消えてしまったらどうする!? あるいは、俺のあまりの幸福感に魔力が暴走して、この賢者の塔を半径5キロごと消し飛ばしてしまったら!?)

「いいえ、閣下。私のために、あなたが命を捨てる必要はありません。……やりましょう」

リアナが決然と、しかし頬を朱に染めて告げる。

シグルドは絶望した。あまりの緊張に、全身の筋肉が鋼鉄のように硬直する。

「……。わかった。ならば、これは『医療行為』だ。清廉潔白なる騎士団長として、職務を遂行する」

(嘘だあああああ! 心臓が! 心臓がバックドラフトを起こしてる! 待て、俺の口臭は大丈夫か!? 今朝、ニンニク料理は食べていないな!? 念のためさっき魔力で口腔内を滅菌したが、足りない! 聖水でうがいをしてくるべきだった! そもそも、俺の唇の角度は!? 45度か!? それとも垂直か!? 教本には「突撃の角度」しか載っていないぞ!!)

シグルドが、まるで死刑台に向かう歩みでリアナに近づく。

至近距離。リアナが静かに目を閉じる。その睫毛の震えが、シグルドの視覚情報を狂わせる。

(閉じた! 目を閉じた! つまり、受け入れ態勢!? 宇宙が……宇宙が俺を祝福しているのか!? いや、これは試練だ。ここで理性を失い、彼女を貪り食うような真似をすれば、俺は騎士ではなくただの獣! 紳士たれ、シグルド! 仏の心を持て! 煩悩を捨てろ! 南無阿弥陀仏……いや、神よ!!)

(……閣下、心の声で違う宗教が混ざってます……!)

いざ、接触の瞬間。

シグルドの手が、リアナの肩にそっと触れる。その指先は、まるで薄氷を扱うかのように繊細だ。

(あああああああああ! 柔らかい! 肩が! 骨格が芸術品! そして、唇が……近づく……! 待て、俺の鼻が邪魔にならないか!? 鼻を削ぎ落とすべきか!? いや、首を傾ければいいのか! そうか、これが『愛の角度』というやつか……! 神よ、俺はこの瞬間のために生まれてきた。リアナさん、愛している、愛している、愛している……!!)

「……ん」

触れた。

ほんの一瞬、羽が触れるような、淡い接吻。

その瞬間、シグルドの脳内に「全知全能の光」が溢れ出し、魔力回路が未曾有の暴走を始めた。

(と、飛ぶ……! 魂が銀河の果てまで射出される! なんだこの多幸感は!? 麻薬か!? 奇跡か!? リアナさんの唇から、直接俺の魂に「生きる意味」が流し込まれてくる!! 離したくない! このまま時を止めて、化石になっても構わない! むしろこの瞬間を絵画にして、全人類の寝室に配布したい!!)

(配らないでください! 恥ずかしすぎて死んじゃいます!!)

呪いの魔力が霧散し、リアナの体から黒いモヤが消えていく。

解呪は成功した。……はずだったが、シグルドはそのまま、石像のように固まって動かない。

「……閣下?」

リアナが不安げに覗き込むと、シグルドは一点を見つめたまま、絞り出すような声で言った。

「……リアナ殿。俺は今から、中庭で切腹してくる。止めるな。……これほどの不敬、万死に値する」

(そして、切腹した後に、その勢いで彼女にプロポーズするんだ。死んでる場合じゃない、この感触を忘れないうちに、婚約届を公文書として受理させなければ……! 俺の心臓、まだ動いてるか!? 爆速すぎて、もはや一定の音(キィィィィィィィン)になってるぞ!!)

(……とりあえず、生きてくださいね、閣下)

リアナは、自分の心臓も「キィィィィィィィン」と鳴っていることに気づかないふりをして、フラフラと歩き出す騎士団長の背中を追いかけるのだった。

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