表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30

第一話:ルディ、登録して即仲間を拾う。

第一話:ルディ、登録して即仲間を拾う。


地面の感触は、アスファルトでも畳でもなかった。

乾いた土。遠くで馬車の音。人の声が多い。


「……なるほど、異世界だな」


目を開けて最初に確認したのは、装備と金だった。

神からもらった剣はちゃんと腰にある。防具も問題なし。金も無事だ。


「とりあえず、“身分”を作るか。でなきゃ始まらん」


ルディガーは街の門番に話しかけ、案内されるままに冒険者ギルドへ。

街の名前はバストレイド。リグレッド王国の北端にある国境都市。治安はギリギリ、冒険者がひしめく混沌地帯だった。

ギルド登録所


「名前は?」


「ルディガー」


「初期装備は……ずいぶん本格的だな。出身は?」


「遠くの村だ」


「ま、いっか。じゃあ登録費用3,000リル。あとランクはFからな」


金貨1枚で支払い、小銅貨で釣りが戻る。

身分証代わりとなる冒険者証が手渡された。


「ルーキーはゴミ掃除か荷運びが基本だ。ま、あんたの剣が本物なら早い段階で上がれるかもな」


「最初から上を狙ってる」


「……ほぉ?」


その時、奥のボード前で揉め事が起きていた。

盗賊・アマデオとの出会い


「ちっ、また断られた……金は渡すって言ってんだろ」


痩せぎすの青年が、ベテラン冒険者に無視されていた。

服装は軽装、片刃ナイフを二本。体の動きはしなやか。こいつ、盗賊か。


「なあアンタ、新人だろ? 一発でFランク上がりてぇなら、一緒に来るか?」


ルディは一瞬考えたが、首を縦に振った。


「条件は?」


「山道の遺跡跡に現れた獣魔退治。2人じゃ無理、もう1人必要だ」

剣士・ランハートの加入


ギルドの訓練場。木人相手に汗だくで剣を振っている少年がいた。

金髪、青い瞳、まだ若い。だが剣筋は素直で速い。


「おい、新人。あいつに声かけてみろ。俺には嫌われてるからさ」


ルディは一歩近づき、静かに声をかけた。


「戦える仲間を探してる。来れるか?」


「……任務内容は?」


「獣魔退治。お前ならいける。剣、悪くない」


ランハートは目を細め、しばらく考えてから頷いた。


「じゃあ俺を使え。――命のやり取りで手加減はしないけどな」

こうして三人組が誕生する


ルディガー(実直系武装ジジイ魂転生の20歳)


アマデオ(口は軽いが動きは本物の19歳盗賊)


ランハート(若き剣士、17歳。寡黙で一途)


互いの過去も素性も詳しく知らない。だがこの三人、妙にバランスが良かった。

第一話ラスト:戦闘前のワンシーン


山道の遺跡跡、獣魔の気配が濃くなってきた。


アマデオが口を開く。


「なあルディ、あんた剣の構え、軍人っぽくない。何者だった?」


「……現金を運ぶ仕事をしてた」


「は? 金運び?」


「毎日、命がけだったよ」


剣を抜きながら、ルディは薄く笑った。


「……仕事は違えど、やることは同じだ。後ろは任せたぞ、サブリーダー」


アマデオがにやっと笑う。


「言ったな、リーダーさんよ。じゃあ俺も本気出すか」


そして、三人は霧に包まれた遺跡に足を踏み入れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ