第十四話:「世界帳簿評議会の決定」
第十四話:「世界帳簿評議会の決定」
世界のどこにも存在しないはずの場所――
世界帳簿の中央制御塔、《オーグメンタ・リブラ》。
そこに、**“顔を持たない7人の評議員”**が集っていた。
「ルディガー。誠実な駆け引き術の保有者。秩序撹乱指数:SS」
「対応案を提示せよ」
一人の声が静かに言う。
「対象は、“この世界の仕組みに疑問を持たせる力”を持っている。
それは、記録された秩序への直接的反逆とみなす」
評議会の決定事項(抜粋)
ルディガーを“記録改竄対象A-01”に指定
→ “世界の記録”から、存在そのものを削除可能な状態へ移行。
世界全域に向けて“秩序回復告示”を配信
→ 「ルディは正義ではなく、記録上の“偽歴史工作犯”とする」。
次の直接介入者を決定:
→ ルードレコード執行者
→ 白い仮面、正義の服を着た“歴史改竄専門の暗殺者”
バストレイド:街に落ちた“記録改竄”
数日後、街では不可解なことが起こり始める。
ルディの過去の依頼記録が白紙になる
救われた子どもたちの一部が「誰に助けられたか覚えていない」と言い出す
ギルドの記録員が「セーフライン」という名前を見て首をかしげる
リュシアが呆然と呟く。
「……記録が、書き換えられてる。ルディが“いなかったこと”になっていく」
セーフライン、再出発地点へ
ルディたちは一度、街を離れた。
向かったのは、かつて誰にも知られていなかった北部の無名村。
そこに、“記録にすら残らない者たち”が集まっていた。
──戦災孤児、難民、犯罪歴抹消者、実験体出身者。
アマデオが呟く。
「ここ、記録から外された“影の村”……。ここに、俺たちの戦う意味があるってわけだな」
ルディの決意
夜。焚き火の前。
ルディは剣を磨きながら、仲間に言った。
「次に来るのは、“消す者”だ。
だがな――俺は“記録にない者”のために生きる。
名前も、過去も、報酬もいらん。
ただ、“今ここにいる”ってことだけが、証明だ」
ラスト一文
その頃、オーグメンタ・リブラの上層階で、仮面の女が静かに立ち上がった。
ルードレコード執行者
「記録に逆らう者は、記録の中で死ぬ。
それが、“整った世界”というものです」




