第十二話:「ルディ、指名手配される」
第十二話:「ルディ、指名手配される」
数日後。
バストレイド全域の掲示板に、同じ紙が貼られた。
【特別指名手配令】
■ 対象名:ルディガー=ヤマダ(通称:ウルフ、セーフライン代表)
■ 罪状:礼拝施設への破壊・信者誘導妨害・公共秩序の破壊・反教的言動
■ 賞金:金貨150枚(生死問わず)
■ 発令者:王国治安執行局(ルードレコード監査認可済)
※同行者(アマデオ、ランハート)も参考人扱いとする。
街の空気、一変
市場で買い物をしていた老婆が、ルディを見て肩をすくめる。
ギルドでも低ランク冒険者が距離を取り始める。
「……こうなるとは、思ってたさ」
アマデオが笑いながら言う。
「でも、いざやられると気分は悪ぃな。“正義をやって追われる側”とか、どうなってんだこの国は」
ギルドの揺れ:リュシアの決断
ギルドでは緊急会議が開かれていた。
「セーフラインの活動は明らかに非合法だ」
「だが、彼らが守った命は多い」
「だが国の指名だぞ?」
「なら“信じるもの”は何だ!?」
沈黙の中、リュシアが立ち上がった。
「私は、セーフラインの依頼記録と救出報告、全部コピー済みです。
彼らが“誠実に仕事してきた証明”なら、ここにある」
ギルドは分裂寸前までいったが、最終的にひとつの決定が下された。
「セーフラインは“公式協力対象”からは外すが、“出入り制限”は行わない」
→ つまり、黙認。庇いはしないが、切り捨てもしない。
追撃開始:討伐隊、発足
王国治安執行局から派遣された部隊が、バストレイドに入った。
統率者:クリュス・ヴァイン(特級治安執行官)
魔法剣士/冷酷な粛清主義者
「秩序に従わぬ者は、善人であれ悪人であれ、処分対象」
彼は兵士に命令する。
「見つけたら、即時拘束。抵抗すれば、殺していい。
ただし、“声”は残せ。裁判記録として使用する」
セーフラインの対応:潜伏から動きへ
廃教会の地下に潜伏する三人。
ルディが地図を広げる。
「狙いは“公開処刑”だろうな。“正しさを疑う者への見せしめ”として俺を使う気だ」
ランハートが言う。
「逃げるか?」
「いや。逆だ。――ここで、“俺たちの正義”を突きつける」
ラスト一文
その夜、街の中心広場の屋根の上に、影が一つ現れた。
その手に持たれていたのは、ルディの冒険者証と、こう書かれた紙。
「この男を信じるか。
それとも、“書かれた秩序”を信じるか」




