第八話:「潰しの依頼、正式発動」
第八話:「潰しの依頼、正式発動」
それは、冒険者ギルドの“依頼ボード”に、静かに貼られた一枚の依頼書だった。
依頼名:【警備依頼:南街の貨物護衛】
依頼人:匿名
指名対象:セーフライン
報酬:金貨30枚
一見、普通の依頼。だが情報網に通じたリュシアとエルナが即座に異変に気づいた。
「……この依頼、誰も中身を知らない。依頼人も書式が旧式。しかも金払いが早すぎる」
「これは“潰し”。現場に待ち伏せされてる」
エルナが言い切った。
作戦会議:受けるか、断るか
アマデオは口を歪めた。
「来たか。向こうが正面から“殺し”に来るってことだな」
ランハートは剣に手を置き、ただ一言。
「行くしかない」
ルディは、黙っていた。
「……これは、“誠実な駆け引き”じゃ通じない。だが、“誠実に決着をつける”ことはできる」
3人は依頼を受けることを決めた。
南街・貨物通り:死の伏兵
夕刻、南街の貨物通り。
石畳と倉庫が連なる通りには人気がない。貨物もなければ依頼人もいない。
「……あからさまに、罠」
だがその中で、ルディはある一点を指差した。
「影が……逆だ」
瞬間、空気が裂けた。
ラズ・ファルディア。
そしてその後方に、覆面をつけた黒商連の戦闘部隊4人。
真正面からの戦闘:潰し合い開始
① アマデオ vs 暗殺者(双短剣)
素早い影と影の戦い。アマデオの【影走《KAGESOU》】が、相手の喉をかすめる。
だが敵もプロ。毒針を仕込み、即応の反撃。
「上等だ……けど、“運ぶ男”に毒は効かねえ!」
逆手の投擲で逆転。敵、失神。
② ランハート vs 剣斧使い(重武装)
厚装甲の斧剣使いを、**一点突破の“インペイル・ブレード”**で撃ち抜く。
読み切った隙間に、正確無比の刺突。
「お前の重さに頼った戦い、全部見えた」
倒す。初の“大型兵”勝利。
③ ルディ vs ラズ(再戦)
「また来たか、“誠実”さん」
「……今度は“止める”ためじゃない。通さないためだ」
ラズの“瞬撃術”に、セーフブレイカーが真正面から叩き込まれる。
一撃、一撃、まるでハンマーと刃が交差する戦場。
そして、ラズの双剣がルディの腕を裂く――が、彼は微動だにしない。
「これが“守るってこと”だ」
肘でラズの腹を抉る。
彼女は笑った。
「本気、か。いいわ、またやりましょう。……今度は、生きるか死ぬかの“ゲーム”で」
撤退。
潰し依頼、完遂
セーフラインは全員生存、負傷者なし。
敵は撤退・気絶・死亡。
報酬は「受け取り拒否」とし、証拠ごとギルドに提出。
「これは、戦争だ」
ルディがそう言ったとき、もう誰も冗談とは思っていなかった。
ラスト一文
その夜、黒商連本部に一枚の書類が届く。
「セーフライン、潰し依頼──失敗」
ヴィートが指を組み、呟いた。
「……ならば次は、“裏の王”を動かすか」




