序章:WAOでゲームライフに革命を!Vol.2
その後隼人はレトロゲームを夕飯を挟んで五時間ほどプレイし続け、気づけば時間は12:00を回りかけていた。
(もうこんな時間か…明日終業式だし寝るか)そう明日は待ちに待った夏休みが始まる日。
そして、WAOをやるか否かが決まる日である。
翌日隼人は学校の支度をし、高校へと向かう道を歩いていた。その道中、同じクラスで幼馴染の今村陽葵に出会った
ドンッ「隼人!おっはよ〜!!」
「痛っ…お前まじそろそろいきなり肩叩くのやめてくれよ…ただでさえ力強いのに」
(毎朝毎朝やめろって言ってるのに…もう…)
彼女とは小学校時代からのいわゆる腐り縁というものであり、家の方面が一緒なのでほぼ毎日一緒に登校している。ちなみに、いつからか俺は陽葵のことをひまと呼んでいる
陽葵は男まさりな性格な上に、柔道の実力者なので彼女の肩パンは普通のそれよりも何倍も痛く感じる…
そして彼女はもう一つ…
「そういえば、ひまって確かWAOっていうゲームやってたっけ?」
「もちろん!!三ヶ月ぐらい前から始めたんだけど…面白いから結構ハマってる!」
そう、大のゲーム好きなのである。ジャンル問わず、年代問わず、ゲー風問わず、古今東西のあらゆるゲームを楽しみプレイする…大のゲーム好きなのである。
「俺遼人に今度夏休み中やろうぜ!って言われてるんだけどどう思う?一応足りないのはカセットだけなはず」
「あー…夏休み中か、多分それって夏休み中に何回かとかじゃなくて夏休みの間ずっとって意味だと思うけど…でもやってみたいならやっていいと思うよ!ひまも色々教えられるしね」
「ならまぁやってみてもいいかな…」
「ねぇねぇそんなことよりさ、せっかく夏休みなんだし今度花火見に行こうよ!今年もいつも通りの場所でやるらしいから行ってみよ!」
「ん?まぁ行けなくはないけど…珍しいなお前から誘ってくるなんて」
「毎日毎日ゲームばっかりしてるからね〜たまには夏の風物詩を楽しむのも悪くないでしょ?」
「それもそうだな…じゃあ行くか!」
そのあとは花火大会の予定だったり、WAOについてのことだったりであっという間に学校に着いた。
ひまのクラスは下の階にあるので自然な流れで解散して俺もクラスへと向かった
ガララッ
「おお!!隼人おはよう!昨日のメールの件考えてくれた?お前はぜっったいWAOにハマる気がするんだよ!」
「おぉ遼人、お前今日登校はやくね?いつもこの時間まだ来てなかったくね?」
「いやまじもう隼人にWAOの良さを知ってもらって絶対夏休み中ずっと一緒にやる!って思いましてね、いつもより随分はやく学校着いちゃった」
「で、渾身のプレゼンは準備できたのかい?」
「いやぁ…それがねプレゼンしようと思って気づいたんだけど多分あのゲームは事前情報ほぼ無しでやった方がいいなって思って作ってない!」
「俺昨日ウェブサイトであらすじ読んだけど…」
「つまりWAOに興味が湧いて自主的に調べたってこと!?やる気は十分みたいだから今日!早速カセット買いに行こうか!!」
「まだ買うって決めたわけじゃないけどな、てかレベリング要素あるって聞いたけど今遼人レベルどれぐらいなの?」
「え、俺?今12だけど」「えレベル上限は?」「100だけど」「つまり…?」
「え、もう初めて数週間の超初心者でしてよ」
「なるほど…それで俺に勧めてきたのか…自信の程は?」
「もう限界突破して130」
「よしお前がそこまでいうんだったらやってやろうじゃねぇか、まじ一瞬でお前のレベル抜かしてやるよ」
「てやんでぃ!抜かせるもんならやってみろ!」
「あー言ったなお前まじ俺の忍耐力なめんじゃねぇぞ一週間で抜かしてやるよ!」
キーンコーンカーンコーン ガララッ
「あやべチャイムなった、おい隼人!あとでカセット買いに行く予定立てるぞ!」「りょうかーい」
ーーー『校長先生ありがとうございました、以上で終業式を終了いたします。担任の先生方引き続きよろしくお願いします』
「夏休み入るけど、怪我なく安全に過ごしてまた学校に登校してくださいね、じゃぁ解散!号令〜」
「気をつけ、礼」「「「ありがとうございました」」」
(やっと終業式終わった…まじ一時間ぐらい座って放送聞いてるの辛すぎる…寝そうだったぁ…)
「はーやーと!この後の予定立てるぞ!帰る準備せい!」
「あーはいはい…とりあえず速攻家まで帰ってすぐにどっかで…うーんGashoの前とかで待ち合わせでいんじゃね?」「じゃ、それで」
「隼人いますかー?」
「ほれ隼人お迎えだとよ」
「おーひまか、一緒に帰る?」「うん、帰ろー」
「じゃあ遼人、また後でGashoの前で」「オッケー着いたら連絡する」
ーーー帰り道
「そういやWAOの話だけど、ひまって今レベル何?」
「ひまは今50レベだけどレベルキャップ解放してないからもうちょっとあると思うよ」
「へー……50!?え高くね?遼人とか12って言ってたよ!?」
「まぁ伊達に三ヶ月プレイしてたわけじゃないしね〜」
「てかレベルキャップ解放なんて要素もあるのか?WAOには」
「もちろん!25、50、75で今のところ三段階あるらしいよ。それぞれのレベルに到達したら特別クエストが自動受注されて、それをクリアするまではレベル上げられないんだけど…モンスターを倒した時とかにもらえる経験値はカウントされてどんどん溜まっていくから、結構助かるんだよね〜」
「ふーんそうなんだ…」ピロンッ「ん?なんか通知が…って遼人!?あいつもう着いたのか…ごめんひま!遼人が待ってるから俺走る!じゃあね!」
「うん分かった!じゃあWAO始める前に一回連絡して!フレンド繋ごうね!」「おう!」
そしてあっという間に隼人は見えなくなってしまった…
(はぁ本当に忙しいやつ…まぁでも今日はやっと花火に誘うことができたし、フレンドも繋ぐことがほぼ確定したからよし!帰って花火大会の事調べよ〜っと)
そう、陽葵は絶賛片想い中であった。
思ったより長い1話になってしまった…せめて購入までいきたかったけど無念…!
ちなみにGashoは隼人たちの家の近くにあるゲームショップでgameの頭二文字とshopの頭三文字をとって名付けたそうです