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不安と信頼





先生にそう言われてもわからない…

僕はかーくんのこと信頼してるし愛してる。

けど、それだけじゃ足りないってこと?



信頼…?ブレーキかけてる…?

僕、まだ不安なの?何が怖いの?

なんで…




先生に言われた信頼しきれていないと言う話に首を傾げる。

だってかーくんは僕の大事な人で、大好きな人で、

僕の嫌な過去のことを知っても全部受け止めてくれて…




僕、何が不安なんだろう?


先生から見ると僕はかーくんに完全な信頼を向けてないように見えるってことだよね?




かーくんは僕のことどう思ってるんだろう…

僕に信頼されてないって言われて、




信頼、されてない………



違う!僕はちゃんとかーくんのこと…大事で、、




「千歳」


かーくんの静かな声にハッとして顔を上げると、

真剣な顔をしたかーくんが僕を見ていた。



「千歳からもらう信頼を疑ったことはないし、千歳が俺のことカケラも信頼してくれてなかったら今頃俺は体調不良でぶっ倒れてるだろうからそこは心配しなくていいよ。」




「先生は僕の信頼が、足りないって」




「先生が言ったのはそう言う意味じゃないよ。千歳にはどうしても怖いことがあるよね?」



「…っ、うん」




「その怖いことを、何があっても、絶対に、俺がしないって信じられてるか?」




「…っ、そんなこと!かーくんは…し、ない、でしょ?」



かーくんは僕の嫌なこと、怖いことはしないって信じてる。

それなのに何故か言葉がだんだん小さくなっていく…




「うん、絶対しないよ?でもな、千歳はまだ怖いよな?俺がするかどうかじゃなくて、される可能性があるかもしれないって頭のどこかで思っちゃうんだよな?」




「ーーーっ、」


僕は初めて、かーくんが“するかもしれない”と思っていることに気づかされた。

自分でも知らないうちにかーくんに対して線を引いてたんだ…




「千歳、実を言うと結構初めから気づいてたんだよ」


「…」


「それでも千歳のそばにいたいから、千歳と一緒に乗り越えられると思ったから、俺はずっと見守ってきたつもり」



「…言ってくれたら、」




「千歳が自分で気づくまで、俺は待つつもりだった。千歳が気づいて俺を頼って欲しいなって思ってたんだよ」



僕はかーくんの顔が見られなくなって俯いてしまった。




僕はちゃんとできてると思ってた。

僕は普通のSubと同じになれてると思ってた。


でも…、結局は“普通”に憧れて模倣しただけの出来損ないのままだったのかな…





「千歳、変なこと考えてるだろ?」


「……」


「俺はいまさら千歳以外は無理だからな?

俺は、俺が千歳がいいって自分の意思で選んでお前と一緒にいる。信頼されてることもちゃんとわかってる。

ただ100%じゃないってだけだろ?

じゃぁ、100%に出来るようにすればいいだけの話だ。」




「…」



「それとも、千歳は信頼できない俺なんかもういらないか?俺のこと捨てるか?」




「〜っ、そんなわけないよ!!!!」


かーくんに「捨てるか?」と言われて涙が溢れた。



「なんで?かーくんは僕のこと好きじゃないの?

愛してるって言ってくれた!!!

僕はずっと信じてるつもりだった!

僕だって初めて言われたのにっ、…っ、

どうして捨てるとかいらないとか言うの?!!」



「……ック、僕の気持ちが足りてないから?

僕が頑張ればかーくんは僕のこと捨てない?

どうしたらかーくんと一緒にいられるの?」





「千歳、落ち着け、今のは俺の言い方が悪かった。ごめん。千歳を捨てるとか、俺が離れるとかそんなことは絶対ないから!千歳はずっと俺と一緒にいてくれるってわかってるよ。でも、千歳の中じゃきっと変な風に変換されてると思ったんだよ」



「…ック、、」



「千歳のことだから《普通になりきれなかった》とか思ってんじゃないかなーと思って?」



(…図星だ。なんでかーくんはいつもわかるんだろう…)




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