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一獅side


今朝もいつも通りの時間に起きて千歳の寝顔を堪能する。


元々童顔ということもあるけど更にあどけなく見える寝顔が最高の癒しで “さて、今日も頑張るか〜” と千歳の額に口付ける。


少しはだけた布団をかけ直して部屋を出ると自分の身支度や出勤準備を済ませる。


今から朝食を作って千歳の世話をして…とやることはたくさんあるし自分のことに回す時間があれば千歳を優先したいから。



(今日は朝のMTGもないし、急ぎの仕事も特になかったはず…)



メールチェックしながら今日の予定を立てる。

先週、任された新人研修がようやく終わってあとのことは各部署で各自学んでもらうようになったし、俺の部署には新人が配属されてないから大丈夫。


今日からまた千歳に割く時間が増えるはず。


忙しい間もデートする時間もPlayする時間もきちんと確保していたし、Careも念入りにしていた。


千歳も変わり始めて、やりたいことを言えるようになってきたし。


俺としてはまだまだ足りない。

わがままだってたくさん言って欲しい。

千歳は遠慮しすぎるというか、無意識に心にブレーキをかけているんだよな…



俺と出会う前に付き合っていた前のパートナーがかなり悪どいことをやらかしたとかで今は接近禁止令が出されているらしい。


ダイナミクスが関わるため大事にはならなかったが警察のダイナミクス課が出張ってくるような案件らしかった。



千歳はソイツが初めてのパートナーでたまたま不調だった時に助けてもらったのがきっかけで付き合い始めたと話していたな…


でも、Playの内容はだんだん過激になって


褒められるよりお仕置きの方が多くなって辛かった…

それでも捨てられたらどうしよう…

自分がちゃんとできないから…


と無理を重ねてしまった挙句、


「お前はもう必要ない」


と突然Callar(首輪)を取り上げられてDrop(ドロップ)したらしい。


そんな状態の千歳を放置して出かけたまま帰って来ず千歳の友人が連絡が取れないからと家を訪ねて事件が発覚したとか。


その友人からも話を聞いたが



「自分が見つけた時にはすでに息が弱々しくてこいつ助からないんじゃないかって怖かったんです。慌てて救急車呼んで通報して…気づいたら自分も病院で点滴受けてました」



その友人もSubで千歳の苦しみや不安定さを目の当たりにして当てられてしまったらしい。


2人とも無事で良かったが、そのパートナーとやらは許せない。今でも時々苦しそうにうなされたり悲しそうな表情を見せる時がある。そんな時とてつもなく虚しく感じる。


いつまでも千歳の中に巣食うパートナーに嫉妬してるんだろうか…。


だが、俺たちダイナミクス持ちにはパートナーはそれほどに存在がデカくて重い。


忘れたくとも忘れられないし一生心のどこかには残ってしまう。

前のパートナーなんて、早く俺でいっぱいになって千歳の中から限りなく薄くなればいいのに…。





そんなことを考えながら作っていたからかベーコンの端を焦がしてしまった…

少し苦味があるそれを証拠隠滅とばかりに口に放り込み嫌な思考と一緒に飲み込んだ。



さて、そろそろ千歳が起きる頃だしさっさと作り直して様子見に行くか…。



一獅side---end


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