不安定期とは??
かーくんの話によると、
"不安定期"というものがあって、女性で言うところの月経みたいなものらしい。
毎月来たり数ヶ月に一度の人もいたりその人によって周期も症状も違うらしい。
主な症状としては、
・よくわかんないけど不安になる
・パートナーと離れたくなくなる、もしくはパートナーから隠れたくなる
・ほんの些細なことでDropしやすくなる
・頭が痛くなったり気分が悪くなったり風邪みたいな症状が出る人もいるとか…
そういう時はクリニックや病院で診察を受けてサプリメントや薬をもらって服用すると幾分か楽になるそうだけど、
不安定期の間はSub側が無防備というか気が散漫になって危ないため外に出ないほうがいいらしい。
パートナーと一緒、もしくは安全なシェルターなどで過ごすといいと教えてくれた。
「さて、お話はこのくらいにして千歳が落ち着いてる間にクリニック行くぞ」
「……あのね、」
「うん、どうした?」
「なんだかわかんないけどコマンド欲しい」
「んー…、わかった。
でも嫌になったり怖くなったらちゃんとSafe word言うんだぞ?」
「うん」
「じゃぁ、Safe wordは?」
「トマト」
「Good。じゃぁ、Stand up」
僕はコマンドを受けてさっと立ち上がる。
「俺の部屋の引き出しに診察券があるからTake」
リビングの隣の部屋に行きデスク横の引き出しを開けて診察券を探す。
福衛クリニック 診察券 帆士 一獅様
福衛クリニック 診察券 蝋先 千歳様
見つけた診察券2枚を持ってかーくんのところに戻る。
「Good boy!!よくできました。いい子だな」
頭を撫でてもらって額にキスを受けてほんわりとあたたかさが体をめぐる。
「じゃぁ今からクリニックに行くけど、約束ごとな」
「はい」
「ひとつ、絶対に手を離さないこと」
「ひとつ、外に出たら許可するまで誰とも喋らないこと」
「ひとつ、辛くなったらすぐ言うこと」
「俺との約束、守れる?」
「できる!」
「Good。いい子だな、家に帰ってきたらたっぷり甘やかしてご褒美やるから頑張ろうな」
「わかった!」
玄関でコートと靴を履いて2人で手を繋ぐ。
「千歳、Look」
かーくんの目をじっと見つめる。
「ん、大丈夫そうだな。行くぞ」
「かーくん一緒だし大丈夫だよ」
「千歳、Heel。隣においで」
「かーくん、手繋ぐけど、ぎゅってしてもいい?」
「いいよ、どうぞ」
僕の左手はかーくんの右手と繋いで、更に僕の右手もかーくんの右腕に巻きつける。
「準備できた?」
「うん。こうしてくっついてる方がなんか安心する」
「よし、じゃぁこのまま行くぞー」
「千歳、Shush」