何だかざわざわする…
かーくんは世話焼きで甘やかしたいDomらしい。
お付き合いを始めた頃に
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欲を言えば俺無しでは生きられないようにしたい
おはようからおやすみまで俺にお世話させて
連絡は逐一。何があっても何がなくても。
俺が電話したら3コール以内に取って欲しいし、
メッセージとかLIMEとかしたらすぐ既読つけて
ひと言でもいいから返信して。
スタンプだけは嫌だけど最初のうちは許してあげる。
あ、あと既読スルーなんてもってのほかだから。
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僕に関して自分が知らないことがあることが不満なんだって言ってた…
僕が自分の視界に入らないことが嫌なんだとか。
それもあって毎朝こうしてごはんを食べさせてもらって着替えも手伝ってもらう。手伝ってもらうというか、毎朝かーくんが選んだ服を着る。その後部屋から首輪とブレスレットを持ってきて僕に選ばせてくれるんだ。
「今日はどっちがいい?」
朝起きた時も思ったけど、なんだか胸の奥がザワザワする。昨夜まではどうもなかったんだけどな…。
ご飯食べながらコマンドも少し入れてもらってたけどそれでもまだ治らない。
(首輪…着けたいな)
そう思っただけで口には出していないのに、
彼はサッとブレスレットをケースにしまって首輪を差し出してくれる。
「ん。今日はこっちな。」
大きくて優しい手が僕の首に触れてこしょこしょと少し遊んでから
「Stay and Up…ん、上手だな、Good」
と短いコマンドを使って首輪をはめてくれた。
首輪がかちゃりとはまるとそれだけで少しホッとする。
「…どうして首輪だって思ったの?」
「あれ?違った?」
首を少し傾げて、でも確信しているようにふんわりした笑顔で頭を撫でてくれる。
僕はすごく嬉しい気持ちと少しだけ悔しい気持ちが混ざり合って咄嗟に出た行動はプイッとそっぽを向くことだった。
でも、それすらも愛しいというように「ふふっ」と小さく笑うと僕のことをぎゅーっと抱きしめて、
「目は口ほどに物を言うんだよ。
ブレスレットはひとつも見てなかったじゃん。」
「え?」
「あれ?自覚なし?」
今までは柔らかな笑顔だったかーくんが少し眉を寄せて真剣な雰囲気が漂う。
「気持ち悪い?なんかざわざわしてる?」
「…っ、だいじょーー」
「千歳、本当のこと言って。」
僕の手を優しく握って、でもしっかり目線を合わせて聞かれる。
怖いわけじゃないけど、思わず姿勢を正す。
「ちょっとだけ…」
「いつから?昨夜寝る時は普通だったはずだよね、
もしかして昨日からざわざわしてた?俺見逃した…?」
「違う!」
思わず大きな声が出てしまってかーくんの眉がまた少しきゅっとなる。