表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

第6話「中等部」

第6話になります。

お次は中等部の生徒が登場します。

「…中等部の教室は、こっちです……」


零に促され、夕貴は立ち上がった。


「!先生、もう行っちゃうのー?」

「!うん、ごめんね。学院を案内してもらうんだ。また後でお話しよう。」


名残惜しそうに言う葵に、夕貴は優しく告げた。


「!うん!約束だよ!!」

「?案内ってことは…他のお兄さんやお姉さんにも会うの?」


ふと、そばに居た美紅が問いかける。


「!うん、そうだよ。挨拶しに行かないとね。」

「へぇー…気をつけてね、先生。ドラキュラとか、ゆきおんながいるから。」

「え……」


突然美紅が言った不穏な言葉に、夕貴は一瞬固まってしまう。


「…あー…先生、大丈夫です。ちゃんと説明しますから……」


そんな様子を見て、亜希が夕貴にそっと言った。


「!う、うん…」

「じゃあ、行きましょうか……」

「バイバイ、先生ー!」



そして葵たちと別れ、一同は中等部の教室へと向かった。




「…ここです、中等部の教室は……」


少し行ったところで零が足を止め、そう言った。


「!ここかぁ……」

「多分他のふたりも…うん、います。先生、どうぞ…」


零が教室のドアを開け、夕貴はそっと中に入る。



「お邪魔しまーす…」

「……?あれ、もしかして、新しい先生かな?」


すると、早速誰かが話しかけてきた。


「!初めまして、今日からここの教師になった、白井 夕貴です。」

「!おおー、そうだったんだぁ。初めまして、あたしは園田(そのだ) 千紘(ちひろ)って言います。」


千紘というその少女は、焦げ茶の髪をポニーテールにし、大きな丸メガネをかけていた。

そして、手には何か部品のようなものを持っている。


「…!ああ、これ?これは今やってる発明の部品なんです!掃除の時に、ルンバみたいなのがあったらいいなーって思って!」

「!え、あ、ああ、そうなんだ…」


夕貴の視線に気づいたのか、千紘は笑顔でそう言った。


発明?部品?言ってる意味がよく分からなかったが、夕貴はとりあえず返事をした。


どうやら中等部・高等部は癖が強いというのは本当らしい。



「成功したら、先生にも見せてあげる!」

「!あ、ありがとう、楽しみだな。」


夕貴がそう言って笑った直後のことだった。



「あ、亜希せんぱぁぁぁい!!!」



真後ろからそんな声が聞こえてきた。


「え」

「あ、亜希先輩!(わたくし)に会いに来てくださったんですか!?と、ということは今日こそ血を!!?」



何が起きてるのかさっぱり分からず、夕貴は恐る恐る振り向く。


見ると、桃色の瞳に漆黒の髪色の美少年が、亜希に抱きついて早口で何かをまくし立てている所だった。


「ち、違うから、そうじゃないから!今日は新しい先生が来たの、だから挨拶して!」

「!新しい先生…?」


亜希はやや食い気味に説明すると、夕貴の方を指さした。


「!!貴方が、新しい先生ですか…?」

「!う、うん!白井 夕貴っていいます。よろしく…」


突然のことに呆気にとられながら、夕貴は挨拶した。


「!夕貴先生ですか…初めまして。私は中等部の古賀(こが) 蓮悠(れんゆう)と申します。以後、お見知り置きを。」


蓮悠という少年は丁寧な口調で自己紹介をし、ペコリと会釈した。



「!蓮悠くん、それに千紘ちゃん、これからよろしくね。」


夕貴は戸惑いつつも2人と握手をする。


「…ほら、変わってるでしょう?」


零は小さくため息をつきながら夕貴に話しかけた。


「え、あ…まあ、色んな子がいて、面白いなって思うよ。」


夕貴は小さく笑いながら、零にそう言った。



「…まあでも…高等部の先輩たちよりは、まだちょっと普通かな…?」

「え」



はっきり言って大分変わっている中等部よりも、高等部は更にカオスだと言うのだろうか。


「…あはは…じゃあ、その高等部を案内します。」


夕貴は何だか嫌な予感を感じながらも、そう言う亜希のあとを着いて行った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ