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3-27 高性能ネコ配膳ロボ(世界観的に大丈夫なのか?)

「はい。ロボです。私の知り合いの職人の作品なのですが……使えると思います」


 やる気ある若き女店長の目は澄んで真っ直ぐだった。

 良い目をしている……託してみたくなる。とはいえ、

 

「ロボ……ロボですか」


 カラクリ人形的なものは確かにこの世界にもあるし、子供も向けの創作物には人間大の心を持ったロボットも出てくるが……。


 この世界の科学技術は現代日本よりもだいぶ遅れているのだ。

 なのに……ロボ。


 いやいや、マジックアイテムも存在はするらしいし、ドラゴンもいるんだし、珍しいだけでロボもあるのかも?

 動力源が魔法とか妖精さんのパワーとかなのかもだし。


 そうこう話している間にも外では待っているお客さんの列が長く続いている。

 配膳も間に合っていない。


「そのロボは何ができるの?」


「配膳です」


「………………やりましょう。でも、猫達がいるんだから間違って踏んづけたりしないわよね?」


「大丈夫……だと思います。ダメそうなら私が責任を持って猫様達を守ります」


「猫様…………」


 猫を様付けしちゃうのは置いておいて、店長はちゃんと猫達を大事にしているし、無茶なことはしないだろう。


「わかったわ。ロボ導入、許可します」


 少し会計待ちの客を待たせてしまった。

 トリーシャはロボを気にしつつも目の前の仕事に戻る。


 三組ほどの客を捌いた時のことである。


「なにあれ!」


「かわいい〜」


 お客さん達の黄色い悲鳴が響いた。

 トリーシャも振り向き、お客さん達の視線の集中するところを見る。

 そこには……現代日本のファミレスで見たことがある猫型配膳ロボを少し無骨にしたような感じだ。

 外側は木で出来ているようだが、内部には金属が利用されているらしくカチャカチャと金属同士が軽くぶつかる音と、自転車を漕いだ時のチェーンの鳴らす音のようなものが僅かに聞こえる。


 ちょっとブサカワな3本髭の顔が描かれて、猫であることを主張していた。

 目のところがくり抜いてある様だが、トリーシャの所からでは内部構造を覗き込むことはできない。


 ロボ?の運ぶお盆の上には暖かなお茶のポットとケーキ。

 ゆっくりとだが確実に運び、あるテーブルの前に来た。


「…………………………」


 流石に現代日本のもののように音が鳴ったり喋ったりはしないようで、無言で客の前で待ち続ける。


 お客さんが恐る恐る料理を手に取りテーブルに乗せると、くるりとゆっくり方向転換し調理場へとしずしずと下がっていった。


「何あれ凄い………………」


 思ったよりも技術レベルがこの世界は高いのかな……?

 まだ知らないことばかりだ。

 

 

5月14日誤字報告ありがとうございます!それも複数確認し丁寧に報告いただき感謝感激です!

トラーシャ……直しました!

レオ(ライオン)の養母的には虎と言うことである意味お似合いな間違い方をしちゃいました\(//∇//)\



ここまで読んでいただきありがとうございます!

取材のために……という訳でもなかったりしますが、ファミレスに配膳ロボを観察してきました!

狭い通路でこっちに向かってくると焦りますね。

ささっと脇に避けましたが、前にも後ろにもいてピンチでした。


次の話でカフェ話はおしまいで、その後に最終章に入ろうと思います。

残り二万文字くらい書けたら良いなとふんわり考えてます。後少しだけお付き合いいただけると嬉しいです

(╹◡╹)♡

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