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第3-25 強力な助っ人要員?

 勝利確定の現代知(猫アンド猫耳)識無双(メイドカフェ)のはずだった。


「な、なんですってー!?」


 風邪の流行により猫耳メイドさんが来れないと言われたのはオープン予定の前日だった。


「ど……どうしましょ。もうあちこちに広報してるから日にちズラすなんで出来ないわ。すぐにメイド服を着て代わりを出来る人材なんて……」


 ソワソワと落ち着きなく家の中を彷徨いていると、()()()()メアリーがお茶を淹れてくれた。


「あら、ありがとう」


 慣れた手つきでロングのスカートよ捌き方もどうに入ったものだ。

 前から思っていたが、顔立ちもなかなか綺麗。


「…………………………」


 トリーシャはじーっとメアリーを見つめた。


「…………若奥様、なんでしょうか」


「よし、貴女にも助っ人に入って貰うわ」


「はい…………?」


 きょとんとするメアリーを前にトリーシャは満足そうに笑った。



 のだが……

 


「なんで私まで……?」


 トリーシャはふと正気に戻りそうになっていた。


「お母さん可愛いです」


「トリーシャさん……………………(絶句)」


 レオはキラキラと菫色の瞳を輝かせ、セオドアはワナワナと震えながら語彙力を失っていた。


 

 何故か猫耳を付けてメイド服を着ていた。

 人妻!!のトリーシャが。

 猫耳を付けてメイド服を着ていた!!



 何故こんなことになったか。

 普通に(セオドア)子供(レオ)に乗せられたとしか言いようがない。

 たまに男子二人組で協力してぐいぐいとおねだりしてくるのだ。


「変じゃないですか……?私はもう若くもないし……」


 前世の日本基準ならば全然小娘の年齢ではあるが、こちらの世界的にはそろそろ落ち着いても良い頃合いだ。

 若作りだとか、猫耳なんて……と思われるかと思いきや、そもそも猫耳が文化として存在していなかったので気にされていないようだ。


「でも……私は………………」

 

 目と髪の色が、と続けようとしたがレオのくりくりの瞳を見て口を噤んだ。

 そうだ、もう隠すのは止めるんだ。


「………………お皿運ぶだけですからね」


「お母さんが働いてるところ見るの楽しみです!」


「トリーシャさん、愛らしいです」


 フリーズから復帰したセオドアもキラキラ輝く満面の笑みで褒めてくれた。

 やめて……調子に乗ってしまう。

 

 頼まれて渋々着たように見せ掛けてるけど実は違う。

 本当はプライドが邪魔して言い出せなかっただけで、猫耳を付けて楽しそうにしている女の子達を羨ましく思っていたのだ。

 トリーシャは今も仕方なく……の体裁をとりつつ、鏡の中の自分をチラチラと見ている。


 ………………可愛いんじゃない?


 今日は猫四天王も駆けつけて、オープン初日はもうすぐだ。


 猫耳メアリーもいつもよりフリルの多いエプロンドレスでも変わらぬプロの笑顔を見せている。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

いつも読んでいただきありがとうございます!

今後も完結に向けて毎日更新頑張っていきます(*´∇`*)


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