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第4話 事故を回避せよ

 トリーシャは早速御者に会いに行った。

 怖がらせないように普段から冠婚葬祭でも無いのにかぶってるベールのついた帽子で目元は隠している。



「ご機嫌よう。貴方が専属の御者なのよね」


「左様でございます。若奥様」


 若奥様じゃないんだけどなぁ。

 御者は思ったよりもだいぶお年を召されている。

 こんなんでよく盗賊から逃げられたわね?

 若くてそれなりに強いらしいセオドアを殺した奴らから。

 実は強いのかしら。


「ねえ……あなたって実は強かったりするの?」


 トリーシャは素直に聞いてみた。

 御者は目を見開いてから、ブンブンと頭と手を振って否定する。


「そんな!滅相もございません。

 最近は腰が痛くて後任が決まれば今日にでも引退しようかと思ってるところです!」


「今日にでもって……」


 しかし、全身どこからどう見てもこの老人が盗賊から逃げられそうな感じはしない。


「もしかして他の人をもう雇う予定があるの?

 すごい逃げ足が速そうな人?」


「逃げ足……?は分かりませんが、雇う予定はありますよ。

 ワシよりは若いですからワシよりは足は早いでしょうな。

 確か今年四十……いくつだったかな?」


 どんな人なのかしら。

 でも、どんな人でも構わない。

 要は馬車の車輪が壊れなければ良いのだから。


「ねえ、馬車……の車輪見せてよ。

 壊れたりしたら大変だから」


「おお……良いですとも。

 ちゃあんと整備してますから壊れる事はあり得ませんよ」


「本当でしょうね?見せてくれる?」


 整備してるのか……なのになんで壊れるのかしら。

 原作の話の都合上?謎のストーリーの都合でバキバキにぶっ壊れるのかな。


 実際に見せてもらう。

 素人だから分からないがとても壊れる感じはしない。

 ならきっと次の御者とやらがポンコツで荒っぽい使い方して壊すのね!

 

「あなたのお給料もっと出すようにセオドア様に言っておくからもう少しだけ頑張りなさい。

 せめて北に行くのはあなたに任せたいわ」


「ええ!?少ししか見ていないワシの仕事をそんなに評価いただけるとは!」


 老いた御者は何が嬉しいのか何故かトリーシャを拝み出した。


「ただ……後任は本当はあなたくらい信頼できる人に任せたいけど、どこかに居ないかしら。

 しっかり仕事をするタイプ」


 トリーシャの言葉に御者は身を乗り出す。


「おお!それならワシの息子がおるんですが、アイツはワシ以上に真面目一辺倒の奴なんです。

 ……実はセオドア様にも一度会っていただいたのですが、その時にはもう次を親戚の方から紹介されているからとお断りされてしまって。

 良ければ若奥様に息子と会って頂きたいのですが!」


「ふむ……運命を変えたいなら何でもやってみるべきよね」


「運命?ですか?」


「いえ……独り言よ。

 セオドア様には私から言っておいてあげるから」


 手をヒラヒラ振りながらその場を後にする。


 そして、夕食の席で早速セオドアに提案する。


「セオドア様、北に行く際の御者は今いる老人か老人の息子にしましょう。

 あと、後任は御者の息子にしませんか?」


「しましょう」


 セオドアは即答した。


「は?理由とか聞かなくて良いんですか?というか、親戚からのコネの人そんなにアッサリ雇う約束を反故にして良いんですか?」


「良いんです。貴女の判断に全面的に従います」


「そ、そう……良いなら良いんだけど」


 そこまで直ぐに受け入れられるとは思わなくて、トリーシャはモゴモゴしてしまう。


「レオ、野菜も食べなさい」


 セオドアはレオの父親として頑張っている。


「やだ!にんじん嫌い!」


 トリーシャも母親として頑張らなくては。


「レオ、好き嫌いしてると大きくなれないわ」


「――!!食べる!」


 レオはニンジンのソテーをパクリと一口で食べた。


「レオ、偉いぞ!……トリーシャさん流石です。レオが直ぐに言うことを聞くなんて」


「え?いえ特に何にも」


「僕は早く大きくなってお母さんを守れる強い男になります!」


 ぎゃー!レオいい子!超絶可愛い!


「……レオ、お母さんはお父さんがちゃんと守るから心配しないで良いぞ。

 何ならレオは小さいままで良いんだ」


「いや、それは良く無いでしょ」


 まあ良い。思ったより変な男のようだけど、言うこと聞いてくれるし、生き残れるようにトリーシャの方も気を配ってあげよう。



 ♢♢♢♢♢


 某所


「どう言うことだ!?

 どうしてまだ何もしていないのに急にクビになったんだ!?」


「いえ……急に次の御者は前任のジジイの息子にすると言われまして。

 違約金はたんまり支払ってもらえましたが」


「そんな事はどうでも良い!!

 クソッ!計画がおじゃんだ。

 せっかくあの目障りなセオドアを排除して公爵家の跡取りとやらに取り入ろうと思ったのに!

 ……こうなったらあのガキの叔母という女の方に声を掛けてやるか。

 セオドアは硬派ぶって女の扱いなんか知らないだろうからな」

 

 


 

 

 

 

誤字報告ありがとうございます!

ここ報告もらった後から書いても気がつかないかな

感謝\\\\٩( 'ω' )و ////謝感

感謝よ届け!(^з^)-☆感謝

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