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第二話  泥棒

「これと、これ、あとこいつの持っているのもください」


にぎやかな町に行き着いた少年二人、フラッド・ヴァイオとクリア・ヴァイオ。赤で汚れた洋服を着替えるために洋服屋に寄った。周りはその二人を見て、ざわつく。もちろん店の店員もだ。赤・・まあ言ってしまえば『血』で汚れている少年達なのだから、みんな心配したり、怪しがったりもするもんだ。


「・・・1580(ジェオ)です・・」


店の店員が驚きながら言う。ついでに言うと、Jは円とほぼ同じ額だ。フラッドとクリアは小汚い袋の中をあさり始める。


「1580Jもあったっけ?」


クリアが心配そうにフラッドに聞く。フラッドは自信満々そうに答える。


「あるだろ!てかなきゃおかしーよな。あんだけ取って来たんだから」


“取って来たんだからな”・・。店の店員、周りにいた人々全員が二人を信じられないと言う顔で見る。フラッドとクリアは何がなんだか分からない様子で。


「・・・・・何?」


フラッドがつぶやく。店の店員が二人の少年に顔を近づけ問いだす。


「・・・取った?」


二人はうなずき、同時に


「「取った」」


と言う。店員は一度考えるように目をつぶり、そして目を開け、もう一度聞く。


「・・・取った?」


フラッドとクリアはお互いに目を合わせ、不思議そうにもう一度。


「「・・取った」」


店の店員は少年二人を捕まえた。二人は抵抗しまくったが、大人にはかなわない。


「な、何すんだよ!くそが!!」


フラッドが叫ぶ。店員は力いっぱい近くにあった縄で二人を縛り上げる。


「い、いたたたた!痛っ!え?な、なになになにさー!」

「こんの泥棒ガキどもが!おとなしく警察に連れて行かれなさい!」

「な、何で警察なんか!!俺たちが何したんだってんだよ!」

「泥棒だろ!さっき自分たちで認めたんだろが!」

「ど、泥棒って!?泥棒って何さ~!」

「しらばっくれんなくそガキ!」

「俺たち泥棒なんかしてねーよ!何勘違いしてんだよ!くそじじい!!」

「じじいじゃねーよ!お兄さんだ馬鹿ども!」


二人は抵抗したが、最後の店員の一撃が効いた。店員は最後の台詞と同時に、思いっきり縄を引っ張ったのだ。二人は形相を変え、叫びだす!


「「いっでぇぇええええ!!!!」」


二人はおとなしくなる。相当最後の一撃が効いた様だ。


「さあ、警察にいくぞ」


店員が言ってくる。フラッドは下を向いていたが、すぐに顔をあげ叫ぶ。


「泥棒じゃねーって言ってんだろ!!」


しかし、痛すぎで半泣き。説得力半減。店員さんはため息をつき、微笑む。


「よし、行こうか」

「マジかよー!!」


フラッドは叫びまくる。クリアは静かに泣きながら言う。


「赤い“もの”から取っただけなのに・・・」


店員はその言葉に反応する。赤い“もの”。店員はクリアに近づき、問う。


「赤い・・・“もの”って・・?」


クリアは泣きながら答えた。


「フラッドは“死体”って言ってたよ」


死・・・・体。確かにそう言った。この少年は“死体”と。


「死体って、何で・・」


店員が聞いてきた。クリアが答えようと口を開ける。


「クリア!!」


フラッドが叫ぶ。クリアは驚き、言葉を発さなくなる。店員はフラッドをにらみつける。フラッドも、店員をにらみつける。


「クリア、これは俺たちの問題だ。知らねー奴なんかに教える必要はないんだ。分かったか」


クリアはビクつき、黙ってうなずいた。店員はその一言で聞くのをやめた。確かに、こいつらの事だ。深入りする必要はない。・・・だが。


「だが、取った、と言うのは理由が聞きたいな。もしかしたら泥棒かも知れないからな」


フラッドは舌打ちをする。店員は勝ったと思い、二人に耳を傾ける。


「俺たちはただ、死体から金を取っただけだ。ただ、それだけの話しだろ?」


フラッドは言う。クリアは黙ってることにする。何も知らないため、話しに入ることが出来ないからだ。


「でも取ったってことは、泥棒だろう?」

「死体相手に泥棒もくそもあるかよ」

「・・・・」


店員は黙り込んでしまう。死体は、どうなのだろうか。


「俺たちはあの時、生きるか、死ぬかの二択だったんだ。じじい、お前は俺たちに死ねと言ってるのも同然なんだぜ?」

「じじいは余計だ」


店員が考える。こいつらは生きるか死ぬかの二択の状況に出会い、生き延びるために、死体から金を取ったと。で、死体は死体なんで、泥棒とか関係ないと。金も、使い道がないより、少年たちに使われたほうがいいと言うのか((言ってない))・・・。

店員は考える。少年たちを見る。確かにこいつらは血で汚れた洋服を着ていて、とても汚い。こいつらの言ってることは正しいのか。だが嘘をついている可能性もある。店員は考える。そして、考えた末・・・。


「・・・あっれー、俺、今まで何してたっけなー。え、何でこの汚いのがここで縄に縛られてるんだよ。うわ、気分悪ー」


フラッドとクリアは声を合わせて一言言った。


「「・・・は?」」


店員はナイフを取り、少年たちを縛っていた縄を切る。少年たちは今まで止まっていた血が流れる様な感じを体験する。そしてすぐ、縛られてたところがびりびりするようになる。


「ちょ、店の邪魔だから早く買うもの買って出てってくんない?あ、1580Jね」


よく分からないが、フラッドは金を出し、洋服を受け取った。


「着替えるんなら、奥を使っていいぞー」


店員は少年たちを奥へもてなす。フラッドとクリアは導かれるまま、奥へと行き、着替え、店員のところへ行く。そして持っていた汚い服を店員が取って、


「これは俺のほうで処分しといてやるよ。じゃ」


フラッドとクリアは店を出る。店員は手まで振ってくれている。=あの店員は逃がしてくれたのだ。

二人は見合って、


「よく分かんないが、逃がしてくれてよかったな」


フラッドが笑いかける。クリアはつられて笑う。


「そうだね!じゃあ、次はどこに行くの?」


フラッドは考え、


「俺たち一族は村に住んでいたんだ。こういう大きな町ではなく、ちいさな、こじんまりとした村。でも、皆が笑って過ごしていた、村。だから、村へ行ってみようと思うんだけど」


フラッドはクリアに目で聞くように見る。クリアは少し考え、答えを出す。


「うん。行ってみよう!そこで僕の記憶が戻るかもしれない」


二人は地図を広げ、町を出て草原に。村へ向かった。


「ここにしようぜ!!“ライト村”!!!」


二人は歩き出す。

長い、ですね。

早くライト村に着いてもらいたくで、頑張って書いたらこんな長文に…。


飽きないでくださいね。

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