序章:終わり
たまに、行き過ぎた残酷な描写がある可能性がありますので、そのような表現が苦手な方は読まないことをお勧めします。
何も感じなかった。
少年の目の前に、赤い液体の飛び散った“物体”があっても、何も感じなかった。そしてそれらを踏み、潰し、歩いていても、何も感じなかった。何も、何も感じない。
一歩踏み出す。不気味な音を上げ、それが潰れ、飛び散る。また一歩。また一歩、また一歩、また一歩。だんだん楽しくなってきてしまう。何でこの“物体”はこんないい音が鳴るんだろう…。
また一歩、また一歩。また・・一歩。
笑いが込み上げて来る。何でだろう、何でだろう何でだろう。
「・・・ふふっ・・」
笑いが漏れてしまう。何で、何で何で。一歩、また一歩進む。少年はひとつの“物体”を見て形相を変え、その“物体”を思いっきりふみ潰す。少年は上を向き、悲しそうな顔で笑い出す。
「何で、この“物体”たちは、こんなに脆いんだろう」
少年は笑う。高く、高く天に届くまで笑う。少年が思いっきり踏み潰した“物体”は少年と同じ、ベージュの髪色、華奢な手足、白い肌…。少年は笑う。“物体”の、こっけいな姿を。“物体”が転がり、赤く塗り潰された光景を。終わりを知っても、何も出来ない自分を。
少年にとって、これが終わりであり、始まりであった。
こんな感じで良いのかが分からない。
意味が分からない表現があったらごめんなさい;
なんかどこにでもありそうな始まり方…。