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僕を知らない僕  作者: 太秦佑助
第一章
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【笑う悪魔 モヤシ×施設長】

この物語はフィクションであり、登場する組織や人物は実在のものとは一切関係ありません。また、物語には独特な考えが表れますが、これは物語を読みやすくするための要素であり、私個人の信念とは異なります。この点を理解いただいた上で、物語をお楽しみいただければ幸いです。

そんな中、モヤシは目では見えない光景に恐れ、ただ聞こえてくる『笑う悪魔』の声に絶望した。モヤシはウークに逃げてほしい、自分たちは助からない、あとトイレに行きたいと考えながら、ベッドの上で震えるのであった。

「あっ、トイレをしたいから体が震えているのか。いや、顔のわからない笑う悪魔にビビっているのか。あー、違う。排気口からくる風が冷たいから震えているのだ。僕は寒いと思ったから排気口を棚でふさいだ。なのに、何で排気口の前から棚をどけやがったのだ。ふざけるな。棚をのけたやつを殺してやる。今じゃねーけどな。わははははは。僕のキャラが、こんな壊れているとは知らなかったよな。ウークに見せた顔も本当の顔だよ。がちで、寒いのが苦手なんだよ。寒いと僕は裏の顔が出やすくなるんだよ。寒いからここに残ったのも他の人たちには内緒だよ。うわー、寒い。がちで、日本島のどこだよ。あー、日本島じゃないかもしれないな。ってことは北極?南極?ロシア?モンゴル?どこなんだよ。もしかして、冷凍庫の中だったりして…」

モヤシはベッドの上で寒さの原因を考えていた。

「おまえ、聞こえているぞ。聞こえてないとでも思っているのか。ここはお前が思っている国ではないよ。ここはオホーツク海国の北東の列島にある島だよ。ばーか。」

中年太りの笑顔の男性が、じろじろとモヤシの顔を見つめてきた。モヤシには、なぜかその笑顔には心から笑っていないように見えた。いわゆるサイコパスのような、何をしてもおかしくないような恐ろしい笑顔をしていた。この笑顔がどんな怒った顔よりも怖いだろうとモヤシは感じた。その恐ろしい相手に恐る恐る返事をしてみたモヤシであった。

「あのー。今、起きたのですが、なんで、ここは寒いのですか。オホーツク海国とはどこですか。」

とモヤシは何故か寒さの原因を恐ろしい相手に聞いた。

「あーごめん…馬鹿にはわからんか。ここはね、我が国の属国だよ。でもな。あえて、属国にしているのだよ。どんな悪いことがこの国に起きても我が国のせいではないからね。帝王様が言うには、お前らはミナミの蛮族出身なんだってね。本当に馬鹿で卑しい奴しかいねぇ。お前たちはその卑しいやつの中でも馬鹿ってことだ。分かるか。だから、誰もお前さんたちを助けに来ない。期待するだけ無駄だよ。それに逃げた奴も馬鹿だし、もうじき捕まる。」

とヤンキーがおやじ狩りをするときのようにモヤシを馬鹿にしてきた。

「確かに助けは来ないかもな。あのバカたちは。でもな、一つだけ言っとく。助けが来たとしても僕はここから出ない。寒いし、他のやつも助けることができるかもわかんねぇ。人を置いて逃げるか。いや、違う。名前も見た目もモヤシだが、心までもがモヤシであってたまるか。

あとな。ウークはここから逃げるぞ。そして、何かをやり遂げるぞ。お前は馬鹿というがバカでも馬鹿ではないぞ。あいつは僕たちのリーダーだ。帝王様?いや、帝王なんて言うくそ野郎なんてやっつけてくれるよ。」

とモヤシも反乱の意思を見せた。

「よく言えたものだな。さすがの馬鹿だな。ここで煽れば、自分の身に何が起こるかわかるか。ここで嘘でもいいから自分を守ることを考える奴が利口だ。お前は馬鹿だ。連れていけ。尋問室に…」

施設長はそういうとなぜかうれしそうに微笑んだ。普通の人であれば、厄介ごととして嫌がるのだろうに…


次話、10月23日17時から公開予定です。

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