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僕を知らない僕  作者: 太秦佑助
第一章
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【ベイパとの出会い ウーク×ベイパ】

この物語はフィクションであり、登場する組織や人物は実在のものとは一切関係ありません。また、物語には独特な考えが表れますが、これは物語を読みやすくするための要素であり、私個人の信念とは異なります。この点を理解いただいた上で、物語をお楽しみいただければ幸いです。

排気口はそこまで大きくなかった。だが、ウークは比較的に小柄でガリガリの男しか連れてこなかった。だから、狭い排気口でもほふく前進であれば余裕に通ることができた。しかし、ウークは後ろを振り返る余裕さえなかった。また、後ろを向く余裕があっったとしても、四,五人しか見ることができない。

「気づかれる前に早く来い。もし、離れたら助けないからな。」

とウークが言うと、

「あのー、すみません。」

小柄だが、ガタイのしっかりした男に後ろから話しかけられた。いわゆるアイドルっぽい細マッチョだ。そんな男話しかけられたものだからウークは驚いた。

「あのー、起こしてくれたのはありがたいのだが、君は何?私はモッカ帝国の名誉軍師であるベイパが、なぜおまえに従わなければならないのだ。お前は、何の権利を持って私に指示する権利があるのだ。お前は何なのだ。俺たちを助けるためって何様だ。」

ベイパは今にも殴りかかりそうな勢いだった。

「あ~、実をいうとな。ここにいるやつは全員、無能なんだ。」

とウークは何も隠さず、衝撃的な一言を言い放った。

「無能だと。私をバカにするのか。」

とベイパは当然の返しをした。

「馬鹿にしているわけではない。事実だ。ここには本当に無能な奴しかいないんだよ。俺も前まで天才だって思っていた。もし、馬鹿じゃないなら、逃げ出す前に理由を聞くだろ。だって、お前らさ。理由聞かずに、のこのこと連いて来るバカがどこにいるんだよ。あっ、ここにいたか。もし、無能じゃないなら、簡単に人の意見を聞き入れねーよ。自分の核が何かしらあるやつが無能じゃないんだよ。どんな変人であっても核を持てよ、じゃないとただの無能や。」

と自信ありげにウークは答えた。

「あー確かにそうだな。私は無能でただ夢を見ていただけか。」

となぜかベイパは納得をしてしまう。

「そうだな…確かにお前、簡単に洗脳にされそうだな。あそこで寝ていても何ら不思議ではないな。」

とウークが失笑すると、

「はあ?私は洗脳なんかされてないぞ。ただ、、ただ、あれだ。空気読むのがうまいんだよ。私は普通の人なんだよ!」

とベイパは必死に自分自身を擁護し始めた。

「普通の人って何?空気が読める?馬鹿にしてんのか。空気を読めって、誰が読んでいると決めるんだ。俺か。お前か。それとも違うやつか。誰かに空気が読めると言われれている奴に限って自分の意思がない。だからこそ、どんな悪いことをしても周りに合わせる。周りが正しいといえば、自分では正しいと感じていなくても正しくないことを正しいと感じる。お前は自分に対して詐欺してないか。空気読むことが悪いとは言わない。だが、自分を押し殺してまで周りに合わせ続けるのか。自分を騙し続けるのか。

もし、俺がお前を殺すといって、周りもお前を殺そうといったらお前は聞きいれるのか。」

とウークが政治家のように必死に訴えた。

「それはちょっと話、脱線しすぎだろ。それは、誰も殺されたいと思わないだろ。」

とベイパはまたも当然の返しをした。

「確かに、誰も死にたくないよな。確かに話は脱線したのかもしれない。だが、脱線はしてない。俺たちは元々モッカのために死ねるって考えていたよな。それって、自分の意志ではなく誰かに操られて…だから思ったんだ。俺はそんな組織はいらねぇ。空気を読むってことは、正しいことかもしれない。でも、それがいつも正しいとは限らない。だから、俺はこの空気をぶち壊す。あとは、ここには違うときは違うって、一人でも言えるモヤシみたいなやつがひとりでも多くいて欲しいな。」

とモヤシを心配しながら、ウークは反乱の意思を見せた。

「まあ、分かった。なら、私にリーダーやらせろ。」

ベイパはまだ自分が完璧だと思っていた。

「それは無理、お前馬鹿だし…。あっ、そういえば、排気口の入り口って塞いできたっけ。ここバカしかいないから、塞いでないよな。」

とウークに新たな心配事ができた。

「確か塞いでないかもな。私は天才だから、私が最後尾なら余裕に塞いだが、ここにいる奴は無能なんだろ。なら、塞いでいるわけがない。普通に考えたら、わかるだろ。お前もばかだ。今、気づくなんて。頭いいのは私だけなのか。」

ウークはベイパの自称優秀だろという自慢を聞いてあきれていた。やっぱ、こいつもばかなんだなと思いながら、排気口で這いつくばりながら出口を探した。


次話、10月21日17時から公開予定です。

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