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テーマなし詩集

2周め

作者: 歌川 詩季

 やりこみ系、シミュレーション(RPG)が、好きです。

 おなじステージ、何回もできるやつがいい。

 見覚えのある景色で えっほ えっほしてる

 あたしは じつを言えば2周めだった

 レベルと アイテムをもちこして

 だけど しれっとして イベントをおこす


 なぎたおせ なぎたおせ

 せっこい優越感がほしくて

 2周めをえらんだわけじゃないって

 忘れてないでしょうね?


 なぎたおす なぎたおす

 ほら やりのこしたことがあるから

 つぎの はじめてより

 いまの もういっかいを

 えらんだんだって 忘れてないでしょうね?



 せっこい優越感を パンケーキにかけるより

 にっがい挫折感を 飲みほしちゃうほうがだいじ

 葉っぱは そこでとれたやつでいい

 きれいな紅茶色をしてくれれば それでいい

 かどがまぁるく なりかけた

 角砂糖を みっついれるから


 まぜたあと もうちょっと かんがえて

 やっぱり もうみっついれるから


 にっがい挫折感を かきまぜた紅茶は

 たべるな きけん の毒林檎の色をしてるのか?

 だれかと 肩を組みながら 泣きたくなるような

 夕陽の色をしてるのか?

 どっちにしても きっと すっごく にっがい

 角砂糖をみっつか

 もうみっついれたかもしれないけど

 こんなのは どんな色をしていたって

 すっごく にっがい 汁

 あたしの知ってる どこでとれた葉っぱの

 どこのカフェで飲んだ紅茶ともちがった


 でも あたしは これを飲みに

 2周めをえらんだんだよ

 ほら 忘れてなかったでしょ

 見覚えのある景色で えっほ えっほしてたから

 つぎの はじめてを選んだひとたちとは

 ずいぶん 差をつけられちゃったけど

 この もはや紅茶ですらない

 すっごく にっがい 汁を 飲みほさなきゃ

 あたしは つぎの はじめてに

 いどんでくなんて できっこなかったんだ



 もうこれで この見覚えのある景色で

 そりゃまあ なにひとつとはいえないけど

 やりのこしたことは あんまりない

 見覚えのない景色で

 こんどは あたしが なぎたおされるばん

 つぎの はじめてを やっと はじめられる


 つぎの はじめて が はじまったら

 もっと にっっがい 汁を

 飲みほすはめに なるんだろうな

 それを考えると うんざりするでしょ


 おなじカードが3枚つづいて

 このままだと うんざりのフォーカードだって

 がらにもなく 緊張してたら

 さいごの2枚は

 わくわく と どきどき だよって

 シルクハットの紳士が こっそり おしえてくれた

 まったく よけいなことを おしえてくれたものだ

 びくびく と ずきずきも

 まだ カードの山には のこってるんだってのにね



 さあ きがかわらないうちに

 にっっがい 汁を 飲みほしにいこう

 おいしい紅茶は とうぶん おあずけになる

 つぎの はじめて が まっててくれるうちに

 あたしの きがかわらない そのうちに


 きがかわらないうち なのにはわけがある

 せっこい優越感が まだ もっとほしいなら

 つぎの はじめて に進まずに

 見覚えのある景色と 3周めの 選択肢だって

 あたしには まだのこされているのだから



 さあ いこう

 さあ さあ さあ

 あたしの きがかわらない いますぐに

 さあ

 さあ さあ さあ

 ゲームしたい。

 する時間がないけど、したい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 優越感と挫折感 繰り返せるもの ゲームは 広義では競技 競技なら 試験だってあってもいい 次に進めるのに進まないのは 次があるもの 試験ならば資格試験 より上位ではなく 同じものをや…
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