第三話 †悪夢からの目覚め†
ある夜、眠りの世界へ落ちていたデルタが悲鳴をあげて飛び起きる。
デルタ「う、うおぉおおおお!!仲間から手を離せッ!!!!…ハッ!?」
悲鳴を聞いたエミリアがすぐさま、隣の部屋から心配してやって来た。
エミリア「どうしたの?また悪い夢を見たのかしら?」
デルタ「ケっ!心配には及ばないんだぜ。こんな孤独<メンタル・ポイズン>いつもの事さ……」
冷や汗をだらだらとかいたデルタは震えながら虚勢を張る。
そんなデルタを見て、エミリアはゆっくりとベッドまで歩み寄る。
エミリア「今日は肌寒いね」
そう言うと、デルタのベッドにするりともぐりこみ、仰向けになった。
デルタ「おい、邪魔だぜ、俺は一人でないと睡眠できないんだ。獣人は人の気配に過敏なんだぜ」
エミリア「こっちの部屋、暖房の効きがよくないの。人助けと思って頂戴」
しぶしぶと再び仰向けになるデルタ。
川の字ならぬ11の字に並んで天井を仰ぎ…二人はウトウトとまどろんだ。
エミリア「人はね、心臓のあたりに手をおくと、ホっとするんだよ。ほら」
エミリアが寝ながらデルタの心臓あたりに片手をほわっと乗せる。
<†メディスン・ウーマン†>の家系であるエミリアには
ハンドヒーリングの心得があった。
するとデルタは不思議と顔から緊張の色が消え…
デルタ「ぐが~~~~、ごごごごご。ずぴっ、ずががががご~、びゅぽぽぽぽぽポポ」
愛らしい寝息を立てて
すやすやと、また眠りの世界へと落ちていったのであった。
エミリア(良かった)
その寝顔を隣で暖かく見守るエミリア。
彼女も半刻後、眠りについた。