君なんかいなかったら…
胸の鼓動が早くなる。
足が重たい。知っているけど信じたくないけど、それが現実だけど、知ったの最近だし、なんで僕みたいな男にしたんだよ…
いつのまにか僕は彼女の前に立っていた。
「和…ごめんね。あたし…もう和とは一緒にいれなくなっちゃう。あたし…」
目に涙がたまるのがわかった。僕は君の目をみないように、涙がこぼれないように何処かへ走ってた。
行く先もなく、ただただ君の顔を想像しないように。僕は根性ないから。君みたいに強くないから。ただ傍に居ることしか出来なかったのに。なんで…なんで…今まで一緒にいたんだよ。なんで僕みたいな男といたんだよ。君ならもっと格好良くて、もっと…もっといい男彼氏に出来たのに。
なんでだよ。なんで。
後一週間だなんて。
どうすりゃいいんだよ…
ザッパーン…
僕は海に来ていた。
息を荒くして…
気づいたら僕は海に半分まで浸かっていた。
真冬の寒い中…
このまま進んだら楽になれるかなぁ。
君の顔も匂いも何もかも忘れられるかなぁ。
今までの思い出も。
でもいいのか?
君はこれで喜ぶのか?
そんなわけない!!
僕が。僕が君に今からでも笑わせる事が出来るなら。僕はそれでいいんだ。
後一週間がどれだけ大事な日々になるか、僕は僕なんだから。強くなりたいから。君にもっともっとワクワクさせてあげたいから…
僕が君の命を最後まで光らせてあげるんだ。
今はもういない君に捧げた思い。通じてるかなあ。
きっと通じてるよ。
だって僕は君がこんなに好きだから…。
完