表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/265

変貌

「何をっ!?」

確実にろくでもないことに違いないだろうから、咄嗟に跳びかかり投げつけた物を掴もうとしたが僅かに間に合わなかった。

ハルトの手から離れた小さな物体は、四人にくっつきあっという間に、その皮膚を突き破り体内へと潜り込んでいく。

「ギャァアアア!?」

「な、何だこれ!? い、痛えぇええ!!」

四人は叫びを上げながら、自身の皮膚を搔きむしる。喉を突き破られ、口をパクパクさせているしかない者もいる。



「貴様! あいつらに何をした!」

「ふん、見てりゃ分かるさ」

エアリアの怒声を、軽く聞き流しながらリオンの雷剣による斬り付けを、手にしたナイフで受け止める。

「今すぐ奴らから、あの異物を取り除け」

「もう無理だよ。体内に入った時点で、もうオワリ」

その言葉通り、変化はすぐに始まった。



四人の顔色、いや全身の皮膚の色が、どんどんどす黒く染まっていく。それと対比するかのように、瞳の色は白く濁っていき、頭髪もどんどん真っ白に変わっていく。その内、髪はほとんどが抜け落ち、開いた口からはポロポロと汚らしい黄色の何かが零れ落ちる。

「歯が抜け落ちている……」

そのあまりに異様な光景に、エアリアは思わず目を背けながら呟く。


ーーアアァ、アァウゥァ


ほとんど歯の残らない口をパクパクさせながら、呻き声を上げる四人。その姿にはさっきまでの面影は微塵も残っていない。

「マリーベートの創った、新しいオモチャだとさ。人間を魔族に変えるんだと」

「魔族だと?」

「でもこれじゃあ、完全に失敗作だよね。魔族どころか魔物としても程度が低すぎるよ」

つまらない物を見るかのように吐き捨てながらも、自身に近いてくる魔物と化した四人へ指示を出す。



「さて、お前たちはあっちの女二人と遊んでな」

その言葉を聞いた四人は、ゆっくりとした足取りでエアリアとカレンに向かって行く。それを見たハルトは、呆れたような、バカにしたような視線を向ける。

だが、

「おい、誰が先輩に向かえって言ったよ!!」

その怒声と共に、四人のうちの一人を思い切り蹴り飛ばす。そいつは命令が上手く伝わっていなかったのかリオンに向かって歩き出した奴だった。

蹴り飛ばされた魔物は、勢いよく壁に激突しそのまま床へと転がる。ハルトがそこへ追い打ちをかけるように、何度も踏みつける。

「このっ、このっ、このっ!! 単純な命令も理解できない失敗作のゴミがっ!! 先輩に手を出そうとしてんじゃねぇっ!!」



「ハルト!!」

その異常な、かつての友の狂行を見かねたリオンは、雷剣を振り下ろす。

「お前自身も魔族に身を堕としたくせに、それはないんじゃないか?」

「僕がこんなモノと一緒だとでも?」

剣を受け止め、発する口調は変わらないが、その言葉の端々からは怒りが見て取れる。

ナイフに風の魔術を纏わせ、思い切りリオンの顔面を横薙ぎに斬り付ける。

だが、その一撃はもう一振りの剣、氷の魔術を纏った氷剣に阻まれた。


「雑魚に気を取られたまま、僕をれるとでも?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ