表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/265

暗き街 part2

「助けてもらえるんでスか?」

カレンには、二人がなぜ旅をしているのかは分からなかったが、この街を救うことが寄り道であろうことは分かる。

それでもリオンは、迷わずこの街のために動くと言い、エアリアもまたそれに頷いている。

心強いのは確かだし、とてもありがたい言葉だったが、カレンにはその理由が分からなかった。



「目の前で困っている人を見て、助けない選択肢は僕には無いな」

「私もだ。騎士としても、人としてもな」

二人は、さも当然であるかのように言ってのける。確かに、ここでこの街を救っても、これからの旅において重要な手掛かりが入手出来たり、大きな助けになるようなものが手に入る確率は低いだろう。

ハッキリ言って、メリットが薄いのだ。それでも目の前で苦しんでいる者がいて、自分たちはそれを何とかできる力を持っている。それだけで手を差し伸べるには十分な理由だった。



「あ、ありがとうございまス!!」

カレンが深々と頭を下げる。長いこと、損得勘定で動くのが当たり前の環境にいたので、それなしで誰かのために何かをしてくれる者は初めてだったのだ。カレンとて、逆の立場だったら無償で助けたかどうか分からない。それくらいクウドで生きるということは金がすべてなのだ。



二人は、そんなカレンに微笑みかけると、先ほどとは違う店の中に入っていく。店内は、同じように薬品を販売している店だった。

(似たような店で売り上げを食い合わないのか?)

リオンはそんな疑問を胸に抱きながら、店主の元へ近づく。先ほどの店主よりも年を重ねた、初老の男だった。

「この街を襲う魔物について話を聞きたいんですが……」

だが店主は、リオンとエアリアの顔を一瞥したのみで、答えることをせずに顔を下げる。明らかによそ者のリオンとエアリアを警戒している様子だった。

「あ、あの……」

「あんたら、魔物の話を聞いてどうするんだ?」

なおも食い下がろうとするリオンに、不機嫌そうな顔を向け、ため息交じりに店主が聞く。その言葉の中には『迷惑』の二文字が見え隠れしていた。



「この街を襲うという魔物を討伐する。その為の情報を聞きたいのだ」

エアリアが店主に目的を伝えるが、不機嫌そうなその顔が変わることはなかった。

「余計なことはせんでくれ! あんたら、三番街傘下の街の者どころか、クウドの人間ですらないじゃろう。そんな者たちに助けられたと本社に知られたら、協力金の名目でいくら持っていかれるか分からん!」

そう早口で捲し立てられ、二人は店を追い出されてしまった。店の外では、カレンの浮かない顔が待っていた。まるで、こうなることが最初から分かっていたような顔つきだった。


「申し訳ないっス……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ