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屋敷での攻防 part1

近づくと屋敷のその大きさに圧倒される。

それはもはや要塞と言っても過言ではない程の威容だった。

全体的には豪奢で、いかにも成金趣味といった造りだが細かいところに目を向けると、外からの来訪者を一切信用していないことが分かる。

「ここの住人は随分と用心深い人なんですね」

長年の経験からそう感じ取ったリオンが、隣を歩くエアリアへ聞く。

本来ならこうもあっさりとここへ立ち入ることなど出来ないだろうが、向こうもこちらのことを認識しているのかあっさりと入ることが出来た。

「まぁ、国のトップの一人だからな、内外に敵は多いさ」

気楽な口調でエアリアは答えるが、その目は周囲への警戒を怠らず手は剣の柄にかけられている。

カレンは緊張しているのか押し黙ったままだ。



「開けるぞ」

エアリアは両開きの扉を注意深く観察し、安全を確認すると開け放つ。

ムッとした空気が三人を包み込み、この扉がしばらく開かれていないことを物語っていた。

「ここは本当に人が住んでいるのか?」

あまり人の気配を感じない邸内に疑問を感じたのか、リオンが誰ともなしに呟く。

「この街の元老院は滅多に外へ出ないことで有名でス」

辺りをキョロキョロと見回しながらカレンが答える。

「生活に必要な物は全て転送魔術で遅らせる徹底ぶりっス」

「ほとんど病気だな」

いくら敵に狙われるのを防ぐといっても、そこまでいってはまともな生活とは言えなかった。

「上へあがるぞ」

一階には誰もいないと判断し、三人は二階へと昇っていく。

だが、階段の踊り場に差し掛かったとき階下から風の魔術が襲い掛かってきた。


ーービュウウオオオオオオオ!!!


手すりごと空気を引き裂きながら三人の眼前に迫る風の刃だったが、すんでのところでリオンの展開した防御術式によって防がれる。

「馬鹿な!? 今まで気配は無かったぞ!!」

身をかがめながらカレンを守るように剣を構えたエアリアが叫ぶ。

「くっ……ここじゃあ私の術式は役に立たないか……」

立て続けに襲い来る風の刃を防御術式でいなしながら悔し気に呟く。

エアリアの炎の術式ではこの屋敷ごと焼き尽くしかねない。

この場ではリオンの魔術だけが頼りだった。

「ここは僕が相手をします!! 二人は上に避難して下さい!!」

そう言って壊れた穴から飛び降り、リオンは襲ってきた連中を睨む。



そこにいたのはエアリアによって倒されたはずのグラサンの男、それも何人もこちらに顔を向け立っていた。

同じ恰好をしているのではない、その全てが同一人物だった。

「な……こいつらは……」

その異様な光景にリオンは思わず絶句してしまう。

だが、この場でそれが何を意味するのかをすぐに思い知ることとなった。

グラサン男たちが一斉に風の魔術をリオンへ向けて放つ。


「しまっ……」

リオンの言葉は猛烈な風切り音の中に消えていった。

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