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揺れる街 part4

「……?」

袈裟懸けに斬り裂かれたスーツの男だったが一切の手応えを感じないことに、エアリアは首をかしげる。

「ふんっ!!」

そのとき斬り裂かれた男の体を突き破り、雷の魔術を纏った剣が突き出された。

「っ!?」

エアリアは咄嗟に剣身へ防御術式を展開しそれを受け止めた。

凄まじい雷光が、男とエアリアの顔を照らし出す。

「はっ、よく反応出来たな。 これでも芸が無いか?」

「くっ、貴様……」



男は嗜虐的な笑みを浮かべたまま、剣に力を込める。

すると今まで無軌道に纏っていただけの雷の魔術が螺旋状に形を変え、エアリアの障壁を突き破らんと勢いよく回転を始めた。

「さあ、どうするよぉ! 騎士様ぁ!」

障壁がミシミシと嫌な音を立てながらヒビを大きくしていく。

魔力を込めて対抗してはいるが、向こうの貫通能力の方が高く破られるのは時間の問題だった。

「まだ……まだぁ!!」

ヒビが障壁の端まで到達し、乾いた音を立てながら粉々に砕け散る。

だが、その破片は消滅することなく細かな刃となって男へ襲い掛かる。

「ぐわっ!?」

男は大量の破片をその身に受け、苦痛の声を漏らしながらも雷剣をエアリアの左腕へ突き刺す。

「が、あああ!!」

エアリアは男を蹴り飛ばし、雷の魔術が身を焼くその前に引き剝がす。

双方ともに距離を取り剣を構えなおすが、互いに小さくないダメージを負いその動きにも精彩を欠いていた。



それでもしばしの間は互いの剣は拮抗していたが、やはり片腕を使えないのは大きなディスアドバンテージだった。

「チッ……」

相手の速さに対応しきれなくなってきたエアリアが小さく舌打ちをする。

身を焼かれずに済んだとはいえ、腕のダメージは相当なものである。

受け止める一撃一撃が、傷口へ響く。

このままではいずれ押し切られてしまう。

(……あまり時間をかけられないか……)

エアリアは剣に力を込めなおし、男が両手で振り下ろす剣を受け止める。

「はっはぁ!! このまま押し切ってやるぜぇ!!」

全身から血を滲ませた男が狂気に取りつかれたような雄たけびを上げながら何度も剣を打ち付けてくる。

その姿には先ほどまでの余裕が全く見られなかった。

「おらおらぁ!! 死ねや、女ぁ!!」

拘束という任務すら忘れ、目の前の敵を殺すことのみに執着するその豹変ぶりにエアリアは薄ら寒さを覚える。

「こいつっ……」



男は一旦エアリアから距離を取り、大きく跳びあがった。

そのまま風の魔術を最大出力で放出し、剣に纏わせエアリアへと落下の勢いそのままに振り下ろす。

「うおおお!! 死ぃねええええ!!」

だが、ほとんど錯乱したまま策も無しに迫ってくる剣など、エアリアに取って脅威では無かった。

たとえ片腕が使えなかったとしても。

「ふん! はぁああああああ!!!」

男の風の魔術も利用し、大きく勢いを上昇させた炎剣を怒号と共に横薙ぎに斬りつける。


叫び声を上げる間も無く、男の体は大きな炎に包まれ地面を転がった。

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