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揺れる街 part2

ハイウェイ、と言う単語が何をさすのかは分からないが表情からして相当まずそうだった。

「そのハイウェイだかってのはそんなにまずいのか?」

「ほぼ一直線の道ッスからね……隠れる場所が無いんスよ……」

それは非常にまずかった。

壁を走れるといっても、一度振り切ることが出来ればどこかに身を隠すことも出来るだろうがそれも潰されるとなると数の差で厳しい展開になりそうだった。



「何とか回避出来ないか?」

リオンの声にカレンは無常に返す。

「多分無理っスね……相当数の道を潰されてるっス……」

言われてみれば、確かに路地にぶつかるたびに追手の数が増えて来ている。

その台数はすでに十五台を超えていた。

「しかしお兄さんたち、一体何をしたんスか? 不正入国だけでここまではならないはずっスよ」

「多分……国家転覆……かな」

リオンの返答にカレンは噴き出した。

「へぇえっっ!?」

だが真実だった。

国のトップが魔族と通じているなど明るみに出れば、他国に付け入る大きな隙となる。

それを持ち込む人間などこのくらいの追跡でも優しいくらいだった。



「……巻き込んでしまってすまない……」

リオンは忙しなくクラッチとブレーキを操作しながら追跡の手を躱し続けるカレンに謝った。

彼女へ声をかけたのは本当に失策だった。

おかげで彼女の生活を奪ってしまった。

「まぁ……別にいいっスよ……」

カレンはリオンの謝罪に寂しそうな笑顔で答える。

「多分、色々持ってなかったってことっスよ……」

そう自嘲気味に呟きながら、カレンはハンドルを大きく切る。

その先は、今までよりも大きな道路だった。

「もうハイウェイに出たのか!?」

「いえ、ここはこの街のメインストリート、この先のゲートを抜ければハイウェイっス!!」

そう言ったカレンの視線の先には大きな門が構えていた。



「ふぁあ……」

大きなあくびをしながら外をぼんやり眺めているのは、このハイウェイの料金ゲートの係員を務めている男だった。

今日は珍しくゲートをくぐる車両があまりおらずヒマだった。

「いつもこれくらいヒマだと助かるんだがなぁ」

料金ゲートにはセンサーによるオートオープン機能もあるが、まだまだ自分の仕事も無くなりそうもない。

「また、なんかの番組でも見るか……」

係員の男がそう呟いたそのときだった。


――グゥァオオオオオオオオオンンンン!!!!!


地を引き裂くかのような凄まじい爆音を轟かせながら、真紅の起動車バイクがゲートバーを破壊しながら突き抜けていった。

「うぇええ!?」

あまりに唐突な出来事に、男は手に持っていた飲み物を取り落としてしまい、慌てて顔を料金所から覗かせる。

「バカヤロー!! 金払え!!」

すでに遥か彼方の起動車バイクに向かって無駄だと分かっていながらも叫ぶ。

やはり、その叫びは虚空に空しく響くのみだった。



だが、男の受難はこれで終わらなかった。

叫びが空しく響いたその直後、先ほどよりも強烈な爆音が男の耳に飛び込んできた。

咄嗟に顔を引っ込めると、何台もの起動車バイクが次々とゲートを突破していった。

料金を払うことなく。

「……一体何が起こっているんだ……?」

男の疑問は誰に聞かれることも無く宙に溶けて消える。


爆音響くハイウェイを月が照らす。

まるでこれから起きることを見物するかのように――

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