表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/265

VS.ドラガン part4

燃え盛る炎槍を、剣から迸る雷撃でいなしていく。だが、ドラガンの凄まじい膂力りょりょくから振るわれる炎槍によって、雷剣による防御も力任せに無効化される。

「くっ、追いつかないっ!」

「どうした! そんなっ……程度かっ!!」

渾身の力を込めた炎槍の一撃で、リオンは大きく吹き飛ばされてしまう。建物に激突する寸前で風の魔術による急制動をかけ威力を相殺し、負うべきダメージを最小限にする。

「ぐっ、うっ……」

とはいえ衝突の勢いは強烈で、建物の壁を突き破り部屋の中ほどまで転がってしまう。

無人の建物だったために内部はホコリが積もっており、それがモウモウと巻きあがりリオンの視界を奪ってしまう。

「マズいっ!!」

体の痛みも無視して、すぐさまその場から離れる。風の魔術を使っての移動なので骨が軋むような痛みが走るがそんなことを言っている場合ではなかった。


ーーズガアアッァアアアアアア!!!!!


今の今までリオンが転がっていた場所目掛けて、特大の火球が通り過ぎた。あまりの大きさに地面ごと溶解させながら進んできたようで、半円状に抉れていた。

飛んできた方向にリオンが視線をやると、そこにはさらに火球を放つドラガンの姿が見えた。


ーードゴォォォオオオオオオオ!!!


巨大な火球をいくつも放ち、リオンがいる建物を根元から溶かしながら倒壊させていくドラガン。

リオンがどう逃げようがもはや関係ない、圧倒的な質量で押しつぶそうとしていた。

「リオンッ!! もう後がないぞ!!」

最期の火球を放ち、叫ぶドラガン。その宣言のとおりに、建物は支えを失い轟音を上げながら倒壊してしまう。

猛烈な土煙を上げながら瓦礫となっていく建物を見ながらも、さらなる追撃の火球を放とうとするドラガン。この程度でリオンが倒せるはずもない。



「たぁあああああ!!!」

だが、放った火球は振りかざされた炎剣によって防がれる。二度は折れぬ強き意思の光を双眸に湛えた、ガラン王国近衛騎士団長エアリアの剣が飛来する巨大火球を吸収した。

「ほぅ、貴様炎の魔術には随分精通しているようだな」

「どれだけの炎だろうと、私には通用しないぞ!!」

剣の柄に力を込め、炎剣の出力を上昇させる。今吸収した火球のおかげで最大級にその火力は高まっていた。

「そうか……されはマズいな」

呟くような声が聞こえたかと思ったら、エアリアの視界からドラガンが消えた。

それを認識した瞬間、エアリアの肩から血が吹き出た。

「え……?」

それはドラガンが背後から雷の魔術でエアリアの肩を撃ち貫いたことによるものだった。

咄嗟に傷口を押さえるが鮮血が止まる気配はない。



「まさか一つの魔術しか使えない、とでも思っていたのか?」

「ぐっ、うぅ……」

剣を握る手に力が入らない。痛みが思考を奪っていき、回復魔術もまともに発動できない。

「エアリアさん!!」

「来るっ……」

カレンが慌ててエアリアへと近づこうとしたのを、制止しようと叫ぶが間に合わなかった。

ドラガンの雷槍から放たれた雷球でカレンの小さな体が大きく吹き飛ぶ。

「ふん、またあのおかしな魔術か……」

術式符スキルカードによる防御術式のおかげで致命傷を避けたカレンだったが、地面に叩きつけられ気を失ってしまう。

痛みを堪えながらも意識のない仲間の前に立つエアリア。正直、かなり厳しいがここで退くわけにはいかない。

「早死にするタイプだな」

「使命を果たすまでは死なん!」

「そうか……」


呟きながら繰り出された雷槍によって、構えられたエアリアの炎剣はそのやいばを折られ宙を舞った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ