VS.ドラガン part3
放たれた大量の“爆裂鋼”へ向けて、エアリアが剣先から魔力を飛ばす。
「逃がすかっ!! チェーンバインド!!」
即座に槍を捨てその場を離れようとしたドラガンを、拘束魔術でその動きを阻害する。
「くっ、何をするかは知らんが、お前も無事ではすまないはずだろう!」
「そいつはどうかな」
起爆寸前の“爆裂鋼”が二人に降り注ぎ、まさに爆発するその直前、
「リオンッ!!」
エアリアが身体強化魔術を全開起動して、対峙する二人へ突撃していく。そのまますれ違いざまにリオンの体をかっさらっていく。
ーーボガガガガガガ!!!!!!!
猛烈な爆発音が周囲に響き渡り、一人残ったドラガンが爆光の中に消えていく。
だがリオンはその光景を見ても険しい顔を緩めることなく叫ぶ。
「カレン! 次を頼む!」
「よぅし、第二波射出っス!!」
その声と共にもう一つのリュックから“爆裂鋼”が再び放たれる。
その後ろにも同じリュックがまだ置かれていた。この戦いの前に、リオンの“自在術式”によって増やしておいたのだ。
当初は“爆裂鋼”のみを増やそうとしていたが、持ち運びの関係でリュックごと増やすことになった。
「こっんのおおお!?」
とめどない爆発の連鎖にさらされ、ドラガンはそこから一切動けずにいた。ダメージもそこまで大きいわけではないがこうも連続で食らい続ければ流石に上手くはない。
「でやぁああああ!!!!」
渾身の気合を込めた炎の魔術を放ち、自分ごと巻き込む形で飛来し続ける“爆裂鋼”すべてを弾き飛ばす。
「はぁ……はぁ……、だあぁああああ!!」
息を整える僅かな時間すらも惜しみ、ドラガンはこの爆裂の嵐を起こす元凶、カレンへ向けてその鋭い爪を向ける。
ーーバヂヂヂィィィ!!!
「何だと!?」
それはまったく考えていないことだった。ドラガンの爪はカレンへと突き立てられ、その体をまるでバターを切るが如く瞬時に引き裂くはずだった。
だが、目の前で起きていることはまったくの真逆。爪は突き立てられることなく、怯えた目の少女の前に展開した障壁によって遮られていた。
「おおぉ、ホントに効果があった……」
「嘘だろ……」
驚きで動きが僅かに止まったドラガンへ、雷剣で斬りかかりながらもカレンの驚くべき発言に呆れるリオン。
まさか自分が作った物の効果を信用していないとは思っていなかった。
(というか、自分も信用してない物を売りつけようとしてたのか……)
だが、ドラガンもいつまでも呆けている訳もなかった。雷剣が迫るや否やすぐさまその場から跳び、再びリオンと向き合う。
「なるほど、力量差を小細工で補う……か」
「なんとでも言えばいい、今はあなたに勝つ!!」
二人の言葉と共に、灼熱の槍と迅雷の剣が交差した。




