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指定凶悪犯罪集団バサラ 幹部:ダイガン

前回までのあらすじ


紅菜「ついに東京を支配している凶悪犯罪集団バサラがここ愛知県で動き始めました」


イエロー「ああ。もうすぐ大激戦が始まりそうだ」


紅菜「そう言えば、イエローさんの見よう見真似で旗を置いたのですが……、どうですか?」


ミドリ「いやいや、それ置いちゃ駄目な旗だから!!」

 あきるは目標の建物を見下げて言った。


「行くぞ────」



*



 物々しい雰囲気。

 最近凶悪犯罪集団バサラの下っぱを県内で捕らえた。つまり、バサラはもうこの県内に侵入し、乗っ取りを考えている可能性もある。

 その日から二日経ち、いつ敵が動いても出動出きるように受話器の前で立ち尽くす。


 緊迫した空気を吸って窓の外に映る景色の遠くを眺める。

 敵はどこに現れるのだろうか……


「緊急事態発生……緊急事態発生……」


 そんな時突然なるアラーム。

 ついに敵が現れたのだろう。電話ではないため、過疎化が進行する地域で通報機械が壊されてしまったのだろうと予測する。私は唾を飲み命令を待つことにした。

 アラームのすぐ後に強烈な爆発音が響く。その大きさに足が崩れ起き上がれなくなった。


「大丈夫?」とイエローが手を取った。


 急な爆発。私は状況を聞いた。

 イエローは冷や汗を落としながら話していった。


「バサラが……直接ここに現れた……」


 赤尾とシロナが部屋に入ってきた。敵を発見したらしく、その場所に向かっていき、私はそれについていった。



*



 紅菜は目の前の機械を必死に触れていた。

 そのせいで背後から忍び寄る影に気付かなかった。


「ターゲットを発見したぜ……」


 直後、司令室は巨大な爆発に包まれてしまった。



*



 雲行きが怪しくなっていく。不穏な雲の下、屋上ではバサラ幹部のクロジマと、あきるとその仲間が爆発していく建物を見て意地悪い表情を浮かべていた。

 クロジマは袖から無数の植物の蔓を伸ばしていく。

 その蔓は中身が空洞となっていて、その穴から向こう側の様子を眺めることができる。その能力を使って戦乱の状況を確認していた。

 そして、状況を報告した。

「目的の人物は死んだようですよ……」

「そうか……」


 あきるの含み笑い。

 スパイを入れるため消さなければいけない存在が今消滅した。これで席は空いたのだ。

 後は────


「しひり、カメラをまわして。音は雑音でな……」


 しひりと呼ばれる女性は撮影カメラをいじり始める。

 あきるはクロジマにも命令する。

「クロジマさんは変わらず状況確認をお願いする」

「言われずとも分かってますよ」


 後ろにはあきるが守っている。遠慮なく前だけを向ける。クロジマは戦乱の状況を集中して見計らっていく。


 ダイガンが警察四名と対面。下っぱ四人がそれぞれ警察一人ずつと戦闘を開始。下っぱといっても技者であり相当の訓練を積んでいるため、サシなら勝てる可能性が高い。一方幹部は下っぱとは比べれない程強く、四人相手でも勝てる希望がある。

 安心感が沸き起こる。

 そこに、明らかにおかしい熱が加わっていく。


 背中が熱い。

 後ろを振り返るとあきるが松明を持ってクロジマに火を当てている。

 ある日、大木が倒れその下敷きになったクロジマは植物の能力を得た。他の能力と比べて珍しく、さらに効能が高く使用しやすい。能力は随一の力を誇っていた。恵まれた能力ではあるが……一方で火が生命を脅かすものとなる不運もあった。身体は火を通し、すぐに身体中に広がり焼死する。

 あきるは仲間内のためそれを知っていた。

 そして、その知識を利用し……


 クロジマはあきるの手によって死んだのであった。



*



 突然、天井が爆発し崩れ落ちてきた。それと同時に、大柄の男と、彼の掲げる死体が降りてくる。

 私たちは距離を置いて戦闘姿勢に入った。

 砂煙が消えていく。

 見えたのはダイヤの仮面にフードを被った男と。


「紅菜さん────?」


 紅菜の死体だった。


「俺はバサラの幹部ダイガン。爆発種の能力者だ」

 ダイガンの言葉が入ってこない。

 イエローが絶望した表情で問いかける。もちろん、ダイガンの言葉は聞いていない。

「持っている女性はなんだ?」

「ん? これは死体だ。もういらないし、やるよ……」

 そう言って紅菜を投げ捨てる。地面を転がる。息はしていない。無表情の死体が涙腺を緩ませ、怒りをこみあがらせた。


「許さない……」


 怒りのまま武器で叩こうと走り出す私をイエローが止める。

「駄目だ。それは無駄死になる。紅菜のためにも、ここは冷静に敵を撃つぞ」

 怒りを瞳に宿し、静かな呼吸でダイガンを睨むイエローは頼もしく感じさせる。


「他にも四人の下っぱがお前らの仲間を殺すだろう……。可哀想にも雑魚に負けるんだ。だが残るお前らは俺が殺してやる。圧倒的に強い者の洗礼だ、負けても仕方ないんだ。安心して死ぬといい」


 ダイガンは自信満々に私たちを見下す。

 それを見て私以外の三人は薄く笑っていた。イエローが見下し返した。


「あいつらが負けるって? それはないよ。あいつらは壊滅的にチームワーク力がなくて新入りの悪い見本となる奴だが実力は……相当だぜ!」




 技者警察署。

 バラバラに散った仲間がそれぞれ下っぱと対面していた。


 怪しい雲行きが日陰を作る。その影に隠れた四人の技者警察。

 ある所では巨大な竜巻が吹き荒れ、敵を巻き込み進む。

 ある所では鋭い刀捌きと吹き斬る斬撃の鎌鼬が敵を切り刻む。

 ある所では速さを力に変え、重く威力の高い蹴りで敵を飛ばす。

 ある所では強烈な雷が敵を襲い、感電により意識を失わせた。


 下っぱはコテンパンに負けていたのだ。




 場面は戻り、ダイガンが立ち塞がる廊下。

 イエローは私たちよりも前に立って、後ろ向きに私たちに向けて言葉を投げかける。


「ここは廊下で場所が狭いからチームで戦うのは難しい。だから、俺が一人で戦う。無理そうになった時は、後衛に回るからその時は赤尾警技、任せました」


 赤尾やシロナは承諾した。そして、納得いかなそうな顔をしているのを見抜いた赤尾はチームで戦わない理由を説明し始めた。

 何しろ場所の狭い近接戦で、援護として攻撃した時、敵がその援護を躱すとイエローに攻撃が当たってしまう可能性がある。そのため、援護ではなく勝負の交代を重視する方がいいのだそうだ。


 こうしてバサラの幹部ダイガンと技者警察のイエローの戦闘が始まったのであった。

次の1話で終わります(完結するとは言ってない)

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