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初めての魔法と森

日をまたいでしまいました。 


ブックマーク登録ありがとうございます!

「ミリス、 地球には魔法やスキルがなかったから、 俺には使い方が一切分からん。 だから教えてほしい」


「任せなさい! アラベスならすぐできるはずよ! 魔人はね、 魔力を感じるのが他の種族よりも得意なの!  まずは、 私がアラベスに魔力を流すから、 それを感じてくれる? 感じる事が出来たら魔力を自分の体に巡らせるようにしてみて!」


「分かった。 よろしく頼むよ」


 ミリスが俺の胸に手を当てる。 すると、 胸を中心に何か温かい感じがする。 これが魔力だろうか? 温かいものが胸から頭、 腹、 腕、 足へと流れていくのが分かる。


「アラベスどうかしら? 魔力を感じられた?」


「ああ、  温かいものが流れてるのが分かるよ」


「魔力の感じ方は、 人それぞれだから、 アラベスには魔力がそう感じられるのね。 魔力を自分で動かせるかしら?」


 俺はこの温かいもの――魔力に集中する。 少しずつ動かしてみる。 中々難しいな。 何かイメージが大事だろうか? 分かりやすいのは血液だろうか? 血液は体中を巡っているから、 俺は魔力を血液が体を循環しているように、 イメージをして動かしてみる。 すると、 まだぎこちなくではあるが、 体全体を循環させるように動かせるようになった。 魔力を循環させていると、 体が軽く感じるというか、 ものすごく調子が良く感じる。


「ミリス、 魔力を動かして体全体に循環できるようになったんだけど、 なんか体の調子が良く感じるんだけど?」


「もう魔力をそれだけ動かせるの!? さすがアラベスね! それは魔力で体が強化されているのよ。 魔力を多く循環させれば、 もっと強化できるし、 体の一部分のみ多くの魔力を流すことで、 その部分だけを強化することもできるわ」


「おお! そんなこともできるのか! 魔力ってすごいんだな」


「アラベス、 魔力を動かせたからって調子に乗っては駄目よ! 何度も練習して、 意識せずに魔力を動かせるくらいにはなるのよ。 アラベスならすぐできると思うけどね」


「そうですよ、 マスター。 何度も練習することで高みに至ることが出来るのです! この我のよ・う・に!」


「分かってるよ。 繰り返すことが大事ってことだな」


 それにしても、 ルイルイのあの喋り方はどうにかならないのか……? すごい耳に残るんだけど……


「魔力を動かせたら次ね! 魔法を使うには、 動かした魔力を外に放出する必要があるの! ここで大事なのは、 イメージよ! この世界の者たちは、 詠唱を唱えたりする人もいるんだけど、 魔法で一番重要なのは、 イメージね!」


 イメージか。 イメージなら得意だな。 何たってアニメとかでそういうのは良く見ていたからな。 俺は確か闇魔法と重力魔法が使えるはずだから。 闇魔法のほうがイメージしやすいし、 闇魔法を使ってみるか。

 まずは手の平に魔力を集める。 簡単そうなものからだ。 闇。 すべてを飲み込むような闇の球体をイメージする。 大きさはバスケットボールくらいだ。 よし、 後は魔力を放出するだけだ。


「ダークボール!!」


 すると、 俺の手の平からバスケットボールほどの大きさの黒い球が生まれる。 その黒い球を俺は前方に飛ばす。 あ、 今更だが、 ここダンジョンの中だけど、 大丈夫かな……

 俺の心配はよそに、 ダークボールはダンジョンの壁に当たって消える。 


「おお! これが魔法か! でも、 威力はまだまだだな」


「そんなことないわよ! 初めてであれだけ出来たら十分よ! それにダンジョンの壁ってどんな攻撃を受けようと壊れないからね」


 ダンジョンの壁ってすげー。 ダンジョンが崩れる心配はなさそうだな。


「さすがはマスターですね! 我も負けてはいれませんねー」


「ルイルイは、 魔眼だよな。 しっかり使えるのか?」


「マスター。 それは森を探索する時にご覧に入れましょう! それに、 我も魔法は練習して使えるようになるつもりです。 我は更なる高みに至るのですよ!」


「はいはい、 楽しみにしてるよ」


 ルイルイの魔眼には、 期待している。 レベルも上がれば、 もっと色々なことが出来るようになるはずだ。 ルイルイには頑張ってもらわなければ。


「アラベスあなた、 魔法は使えたけど、 すぐ探索に行くの? もうちょい練習する?」 


「いや、 探索に向かおう。 早めにこの辺の地理を確かめたいからな」


「マスターに一つお願いがあるのですが」


「ん? なんだ?」


「我は双剣を使います。 ですので、 双剣が欲しいのですよ。 森で運悪く凶暴な動物に出会ったり、 誰かに会うということも、 もしかしたらあるかもしれないので」


 ルイルイが言っていることは正しい。 俺も魔法を使って、 興奮していたようだ。 そう、 外では何が起こるか分からないもんな。 しかし、 いきなり、 これほど出来るオーラをルイルイから感じると、 なんか微妙だな……


「確かにね! ルイルイさすがね!」


「ふっ、 これくらいとぅぜんのことぉ!」


 あ、 やっぱりルイルイはルイルイでしたね、 はい。


「えーと、 確か画面の右下だったよな」


 俺は武器防具項目をタップする。 するとあらゆる武器や防具が載っている。 載っているのは、 鉄の剣や、 革の防具などだ。


「これも俺のレベルが上がれば、 より良い武器や防具が出てくるのか?」


「ええ、 そうよ。 アラベスも何か剣でも持って置いたらどう?」


「剣なんて使ったことがないからな」


 俺は剣道とかもやったことがないので、 持っていても振り回すことくらいしかできないぞ。


「それでも持っといた方がいいわよ! 振り回したりするだけでも役に立つわ! ついでに防具もつけなさい!」


「そういうならそうするよ」


 俺はまず、 ルイルイの双剣を選択する。 鉄の双剣で100DPか。 高いのか安いのか、 分からんな。 よし。 鉄の双剣を100DPを消費して、 召喚する。


「ほら、 双剣な。 防具はどうする?」


「マスター、 ありがとうございます。 いえ、 我に防具は不要ですよ」


「そうか? ならいいんだが」


 俺は自分ように鉄の剣と、 革でできた胸当て、 腕と足の革当てをそれぞれ100DPで召喚する。 実際に装備してみると、 興奮してくる。 ファンタジー感がすごい。 剣を一度抜いてみる。 ラノベなので剣は斬るというよりは、 叩き斬ると言ってたが、 これは十分に人を斬れそうだ。 扱いには注意しないといけない。


「アラベスいいじゃない! 似合っているわよ!」


「マスター、 いいではないですか!」


「そうか? ありがとな」


 このように褒められると少し照れてしまうな。


「ミリスはいいのか?」


「私はこれで大丈夫よ! そろそろ行きましょ!」


「ああ、 そうだな。 出発するか!」


「遂に出陣ですね、 マスター!」


「出陣なんてしないから。 探索するだけだから……」


 何処に出陣するんでしょうね……


「そうだ、 俺達も一階層を進んでいかなきゃいけないのか?」


「その必要はないわよ! アラベスならこのダンジョンの好きな所に転移出来るから。 地図を見て入口に転移したいって思えばできるはずよ!」


 おお! そんなことが出来るのか。 これすっごい便利だな。 では、 早速。


「よし、 ミリス、 ルイルイ入口に転移するぞ! 準備はいいか?」


「大丈夫よ! 早く行きましょ!」


「我も行けますよ。 我の名を歴史に刻む時がきたのです!」


 お前は探索で何をするつもりだ……


「転移!」


 すると、 一瞬で景色が変わり目の前には、 出口があった。 


「よし、 行くか」


 俺たちは出口を出る。 出口を出るとそこには、 まさに森! と言った場所だった。 多くの高い木が立ち並んでおり、 地面には雑草やらが多く生えている。 しかし、 雑草は数cmほどで歩くのに困ることはない。

 木の間からは光が漏れ出ており、 今が昼頃だと分かる。 今思うと、 時間が夜でなくて良かったな。


「やっぱり外は良いわね! 気持ちがいいわ!」


「確かに。 これほどの自然に囲まれるのは、 いい気分ですね」


 二人は外を堪能しているようだ。 確かに。 日本にいた時に比べ、 空気が全然違う。 日本にいた頃は分からなかったが、 これが空気が美味しいってことなのだろう。 このままぼーっとしているのも悪くないが、 探索をしなければならないので、 行動することにしよう。


「よし、 そろそろ適当に移動しよう」


「そうね! まずはあっちに行きましょ!」


「ええ、 そうしましょうか」


「よし、 行くか」


 俺達は当てもなく森を移動する。 日本では、 こんな森の中を歩いたことがないから、 中々大変だ。俺達はダンジョンを見失わないように印をつけながら移動していく。 移動していると、 時々動物を見かける。 兎や鹿など地球に存在している動物と似ている。


 3時間ほど歩き、 特に困るような存在はいなかった。


「どうする? そこまで広く探索できたわけじゃないが、 この辺に脅威になるようなものは存在しなさそうだけど」


「本当ね。 もうちょっと何かいてもいいんだけど」


「そうですね。 我としても少しくらい暴れたかったものです」


「物騒なことを言うなよ。 今日はそろそろ戻るか」


「それでいいわよー、 ちょっと疲れたしね」


「ええ、 分かりました」


 俺たちが戻ろうとしたその時だった。 全方向から何かが向かってくる音がする。 


「な、 なんだ!?」


「あ、 あれは、 狼よ!!」


 狼!? 本当だ! にしても、 大きい。 狼って大型犬くらいの大きさじゃないのか?明らかに俺の腰くらいの大きさがあるんですけど!? 狼の数は合計で四匹。 数では不利だ。


「我が葬ってくれましょう!!」


「アラベス! 落ち着くのよ! 落ち着いて魔法を使って戦うの! 剣もよ! 不格好でも斬れたらいいんだから!」


 くっ、 やるしかないか。 正直いって、 あんなのと戦いたくないが、 向こうはこちらに対して戦意むき出しだ。 やるしかない。 どうせこれから、 嫌でも強くなる必要があるんだ。 やってやる!


「よし! かかってこいやー!!」


 俺の初戦闘が始まる。


読んでいただきありがとうございました!


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