行動開始前
今日もあんまり進みません…… すみません。
「アラベス! 優秀な配下もできたことだし、 活動開始よ!」
「ルイルイは配下ってことになるのか?」
「アラベスはこのダンジョンの王なんだから、 当たり前じゃない」
「我もマスターの配下になることに、 不満はありませんよ」
ルイルイもいいのかよ…… あんまり、 人の上に立つっていうのは得意じゃないんだが。
「ルイルイありがとな。 ルイルイが配下ならミリスはどうなるんだ?」
「私? 私はアラベスと同等の存在よ! そうね。 アラベスが王なら、 私は女王かしら! いいわね、 さっ、 私を崇めなさい!」
「我もこれからは女王と呼ばせてもらいましょう!」
「あら、 ルイルイいい心がけね! 褒めてあげるわ!」
なんでこいつはこんなに偉そうなんだよ…… そういえば、 こいつのステイタスは見たことないな。
「なぁ、 ミリスのステイタスって見てなかったけど、 見せてくれないか?」
「私の? 構わないわよ!」
名前 ミリス
種族 魔精霊
職業 ダンジョンの女王
レベル 1
力 I
魔力 C
敏捷 C
器用 D
耐久 I
固有スキル 魔精霊術
スキル 支援魔法1
加護 闇と混沌の女神レイスティナ
え? ミリスって妖精かと思っていたら精霊だったのか…… もろ妖精ですよーみたいな姿してるくせに。 職業がダンジョンの女王って何? 女王って認められているのかよ……てか、 ミリスめっちゃ優秀じゃない? Cが二つもあるじゃないか。 はっきり言ってミリスは戦闘は無理だと思ってたけど、 いいじゃないか! それに魔精霊術っていうのも強そうだな。
「ミリスお前凄かったんだな!」
「女王のステイタスも中々。 しかし、 我の魔眼には、 誰にも勝てまぁい!」
「そうでしょ! 私はすごいんだから! ルイルイの魔眼はすごいけど、 私には勝てないわよ!」
「いくら女王といえど、 我が魔眼の前には無力! さぁ! 尋常に!」
「あら、 やる気かしら? やってやるわ! 覚悟なさい!」
「おおい!! 訳の分からん張り合いをするな!」
なんて奴らだ。 なんでいきなりこうなるんだよ……
「マスターが言うのならしょうがないですね」
「そうね。 アラベスのお陰で助かったわね!」
さっきまで仲良かっただろお前ら……
「それでミリスの魔精霊術っていうのは、 どういうものなんだ?」
「教えてあげるわ! 簡単にいうと、 普通の精霊魔法のちょー強化版ね! 火・水・土・風・光・闇の魔法を使えるわ! 普通の魔法よりも精霊魔法はすごいの! 私の魔精霊術はもーーーっとすごいってわけよ! 私のレベルも上がれば、 もっと他の事も出来るわ!」
「おお! ミリスはほとんどの魔法の超強化版を使えるわけか! 精霊魔法っていうのは、 精霊にしか使えないのか?」
「この世界なら森人が精霊魔法を得意としているわね。 森人は精霊に頼んで力を貸してもらって使っているの」
「この世界に精霊って存在するのか」
「精霊は存在しているわ。 でも普通の精霊じゃ、 具現化出来ないから、 見えないけどね。 高位の精霊しか具現化は出来ないわ」
「ていうことは、 ミリスは高位の精霊なのか?」
「私は特別よ! 強くなれば、 さらに高位の精霊になれるわ!」
「さすが女王ですね! 我、 尊敬しますよ!」
「あら、 ルイルイも分かってるじゃない!」
お前らさっきまで喧嘩みたいなのしてただろ、 仲直りが早いわ。
「はぁ…… ミリスが凄いのは良く分かったよ。 さて、 そろそろ動き始めよう。 ミリス、 俺たちのダンジョンの今の大きさと場所を教えてくれ」
「分かったわ。 ダンジョンの大きさだけど、 いきなりやられると困るってことで、 既に一階層は出来ているわ。 大きさは大体、 縦横に10㎞くらいあるわ。 魔物や罠は設置されてないから、 私たちが設置しなければいけないけどね。 画面の左下のダンジョン階層っていう項目をタップすれば、 その階層の地図を見ることが出来るわ」
ダンジョン階層はこれか。 項目をタップすると地図が表示される。 これはすごいな。 まるで迷路のように入り組んだ地形になっている。 これに魔物と罠を設置すれば、 十分にやっていけそうだ。
「これは魔物と罠を設置すれば、 結構いけそうだな!」
「確かに。 これを突破するのは、 我でも手こずりそうですね」
「そんなに甘くないわよ。 この世界には魔法やスキルがあるんだから、 すごい奴なら突破は難しくないわ。 魔物と罠をうまく設置できたら別だけどね。 でも、 安心しなさい! なんたってこの私がいるんだから!」
「マスター我もいるのですから、 心配無用ですよ!」
それでどう安心しろと……? しかし、 ミリスの言う通りだな。 この世界は魔法やスキルが存在するファンタジーの世界だからな。 油断は禁物だ。
「はいはい、 頼りにしてますよ。 それで、 このダンジョンは何処に位置しているんだ? 場所によっては、 すぐに行動しなければやばいからな」
そう。 いきなりこちらの住人に来られたらひとたまりもないぞ。
「そうね。 この世界の全体は私も分からないんだけど、 すぐに誰かがくるってことはないわ。 このダンジョンが位置するのは、 大きな森の中心部よ。 この森の右下には人間の国、 左上には獣人の国、 右上の離れたところに土人の国、 左下の離れたところには人間の国があるわ。 警戒するのは、 右下の人間の国と左上の獣人の国かしら。 他は結構距離があるからひとまずは大丈夫よ! それにこの二つの国も、 森の近くに村があったりするけれど、 辺境だからそこまで気にすることはないわ」
「警戒するのは、 とりあえずそ二つの国か。 この森の中心には、 その村の人たちはこないのか?」
「ええ、 よっぽどの事がない限り、 来ることはないわね。 この世界は魔物がいないといっても、 凶暴な動物はいるからね」
「そ、そうなのか。 それは大丈夫なのか?」
凶暴な動物って、 熊とか、 ライオンとかか?
「大丈夫よ。 心配性ね。 魔法やスキルがしっかり使えれば大丈夫よ! それに凶暴と言っても、 すていステイタスで言えば、 高くてもEくらいだからね」
おっと、 今の俺達からしたら、 やばくね? 俺魔法もスキルもどう使うか分からんのに。
「マスターご安心を。 この我がっ! 倒して見せましょう!!」
「ルイルイその意気よ!」
なんか、 こいつらが急に頼もしく見えてきたぞ。 まぁ何とかなるかな。
「よし! まずは俺に魔法の使い方や、 戦い方を少し教えてほしい。 その後森の探索だ!」
「しょうがないわね! この私が教えてあげるわ! 感謝しなさい!」
「マスター! 我もお付き合いしましょう!」
さぁ、 行動開始だ!
読んでいただきありがとうございました!
出来たら今日もう一話投稿します。
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