戦闘前
短いです。
"シュバルツ、数と何処に向かっているか分かるか?〟
"ウォン、ウォン!(数は約100ですべての人間が武装しております。おそらく何処かの兵士かと。このまま進めば、後一週間ほどでダンジョンにたどり着くかと〟
"よし、分かった。シュバルツの部隊はそのまま見つからないように見張っていてくれ。ダンジョンに近づいて着たらまた連絡を頼む!〟
"ウォン!(了解しました!)〟
"シュバルツの部隊が人間の集団を発見した。シュバルツの部隊以外の者は、直ちにダンジョンに帰還してくれ〟
人間に対して何かしようかと考えていたが、まさか向こうからやってくるとはな。しかし、何が目的だ?俺達の事は知らないはずだ。となると、この森の向こうの獣人に用があるのか?この世界の兵の事は知らないが、100人というのは多いのだろうか?んー、分からんな……
「ちょっと!アラベス!人間が来たってホント!?」
「ミリス落ち着けって。人間が来ているのは本当だが、まだ一週間ほど猶予がある」
「マスター!これは殲滅あるのみでしょう!我が先頭に立ち、人間共を殲滅してご覧に入れましょう!」
「ルイルイも落ち着いてくれ!お前は考えが早すぎだ!」
やる気は十分だが、考えが先走りすぎだろ……
「今さっき、シュバルツの部隊が約100人ほどの人間の兵士を見つけたらしい。そのまま進んでくるとこのダンジョンを通るらしい」
「100人の兵士? 私達の事は知られていないわよね? そうなると森の向こうの獣人の国に用があるのかしら?」
「女王の言う通りでしょう。我らの事は知らないはず。しかし、この森を突っ切る必要性が分かりませんね」
「その方が近いからじゃないのか?」
この森結構な大きさだ。森の外周を沿って行くと相当な距離になるからな。
「いえ、距離はその方が近くなりますが、森の中ですので、結局森を通った方が負担になるのです。それに、兵士達だけというのも不思議ですね」
「それはどういうことかしら?」
「人間が獣人に用があるのなら、少しでも地位の高い者が一緒にいるはずなのですが、今回は兵士だけ。もし、人間共の目的が獣人との戦争だとしても数が少なすぎるのです」
なるほど。本当にこういう時ルイルイは役に立つな。いつもこんな感じでいればいいと思うんだが…… それにしても、戦争か…… この世界では種族で争っているともレイスティナ様が言ってたな。しかし、戦争には数が少ないか。国としてではなく、何処かのお偉いさんが一人で動いているとか……?
「予想でしかないが、ちょっとした権力者が個人で動いているんじゃないか?理由は分からんが……」
「マスターの言うことが一番しっくりきますね。そうなりますと、恐らくは獣人の奴隷狩りでしょうか」
「あー、それはあり得るわね。森の近くに住んでいる獣人は、獣人の国の辺境に位置しているから、攫いやすいのかもね」
「お、おい、奴隷狩りなんてあるのか……?」
「ええ、どこの種族でも奴隷は存在しているわ。でもね、奴隷狩りは違法よ。だから、森の中からコソコソしているんじゃないかしら」
確かに。それなら辻褄が合うな。元々手加減するつもりはなかったが、心おきなくやれそうだな。
「よし、まだ絶対そうだとは分からないが、とにかく人間をこのダンジョンの中におびき寄せて倒すことにする」
「いいじゃない!レベルも上がらなくなってきたし、いいDP稼ぎにもなるわね!」
「遂に我の修行の成果を見せる時が来たようですね!」
「やる気があることは良いことだが、一人で突っ込むなよ…… 人間とは初めて戦うことになる。慎重にやるぞ!」
俺達は強くなったが、人間と戦うのは初めてだ。油断は禁物だ」
「どうするのよ?」
「今回の戦いはダンジョンの罠をうまく使いながら、俺達がメインで戦うぞ。魔物達には、主に援護を頼むつもりだ」
「我一人でも十分ですが、慎重に戦うのは悪くありません。我に異論はありません」
「ありがとよ、よし、準備にかかるぞ!」
「「おおーー!!」」
さて、上手くいくといいんだが……
読んでいただきありがとうございました!
今日もう一話投稿するつもりです。
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