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友人契約  作者: マリーゴールド
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二人で買い物に出かければ友達ですか?(2)

 神戸ハーバーランドは、その名の通り神戸の臨海部に位置する複合商業施設で、モザイクを中心にショッピングモールが乱立している。

 対岸のメリケンパークには、ポートタワーや海洋博物館があり、海に面するモザイクには観覧車もあり、横浜のみなとみらい21とよく比較される臨海都市地区だ。

 ただし、神戸で買い物というと、すぐ近くに三ノ宮商店街があり、交通の便もあるためそちらに向かう人の方が多く、こちらは観光やファミリー向けの施設として、クリスマスなどイベントシーズンにはデートスポットとして機能している。


「あ、ねえ、一ノ瀬。次、あっち観に行っていい?」


 恵理たちは、本日四件目の店舗に足を踏み入れた。

 ちょうどサマーバーゲン中であったためか、ショッピングモールはそれなりに人で賑わっていた。

 恵理はセール中と書かれたワゴンから、いくつかの服を見繕って手に取っていく。

 その後ろを、すでに両手に紙袋を下げた一ノ瀬が追いかける。

 正直それほど多くを買い漁るつもりはなかったのだが、安いとつい手が伸びてしまう。

 荷物持ちとして、一ノ瀬に付き添ってもらったのは正解だったようだ。

 しかし、このままでは一ノ瀬に、荷物持ちとして今日一日を過ごさせてしまう事になる。

 なにかデートっぽいこともしておかなくては。

 妙案を思いついた恵理は次なる店舗に向かう。


「え、ちょ、ちょっと!天宮、ここ、俺も一緒に入らなきゃ駄目?」


 そこは水着売り場だった。

 一応、男性用の水着も置いてあるが、店の客層のほとんどは女性だ。


「んー、由紀たちとプール行くし。一応、男子の意見も聞いておきたいかなーって思うんだけど」


 一ノ瀬はキョロキョロと周りを伺って、恥ずかしそうに答える。


「いや、でも俺、女子の水着なんて選んだことないんだけど」

「別に、一ノ瀬の選んだ水着を着るわけじゃないし。参考程度に意見を聞きたいだけよ」


 まあ、それくらいなら、と一ノ瀬は納得したようだ。

 一ノ瀬に水着を選ばせて、それを着ている私を想像して、動揺しているところをからかってやろうと思いついたのだ。

 恵理はいくつかの水着の中から、花柄のきわどいビキニタイプの水着と、布地の多い白のショートパンツタイプの水着を両手に取って振り返る。


「ねえ、どっちが可愛いと思う?」

「真ん中」


 うん?真ん中……って、えっ、ちょっと?!


「は、はあ?!なに言ってんのよ!」


 恵理は自分の顔が、みるみるうちに紅潮していくのを感じる。


「あははは、天宮って意外と良いリアクションするよな。お決まりの文句だけど、妹相手にやっても全然冷めててさ。けど、言わなきゃ言わないで不機嫌にもなるし。ほんと面倒だよな」


 どうやら、妹さん相手によくやる冗談らしい。

 なんだ、冗談か。

 安心したような、がっかりしたような。


「なんだ、びっくりした。一ノ瀬が、実は女慣れしてるんじゃないかって焦ったわよ」

「そんな訳ないじゃん。それをいうなら天宮のほうが男に可愛い可愛いって、言われ慣れてるだろ?今更、俺なんかに可愛いとか言われても嬉しくないんじゃない?」


 そんな訳ない。

 確かに、そんなことを言ってくる男子は、今までにも少なからずいた。

 だけど、大事なのは誰が言ってくるか、だ。


「水着なら、そっちの白いほうかな。ひらひらしたのより、スポーティーな方が天宮には似合いそうだし。それに、花柄のほうは、ちょっと目のやり場に困るかも……」


 そう言って、一ノ瀬は顔を背けた。

 本当はどっちも選ぶつもりなくて、さっき見つけたストライプ柄の水着を買おうか検討していたが、白のショートパンツのにしようかなと恵理は思った。

 一ノ瀬に、似合うと言われてその気になる辺り、我ながら単純だなあと思った。



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