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友人契約  作者: マリーゴールド
24/60

アドレス交換をすれば友達ですか?(4)

※思いのほか長くなったのでタイトル分けました。

 ――――――――――――――


 お風呂を上がり、ひとしきり支度を済ませて部屋でくつろいでいた天宮恵理は、目の前にあるスマホと、かれこれ一時間近くにらめっこしていた。

 駅で「それじゃ、時間決まったら連絡してよ」と言った一ノ瀬と別れて、家路についた恵理は、お風呂に入る時以外は、片時も離すことなくスマホを握りしめていた。


「うーん……なんて送ればいいんだろ……」


 初めて送るメールだ。

 用件だけ送って済ますのは、さすがに味気なく思われるかもしれない。

 これからよろしく、というのも今更すぎるし、おかしいよね。

 かと言って、あまり馴れ馴れしいのも……。

 時計をちらりと見ると、時刻は22時を回ろうとしていた。

 明日の約束もあるし、あまり遅くなっては一ノ瀬に迷惑をかけてしまうかもしれない。

 うーん、と悩んでいると手に持っていたスマホが震えた。

 スマホの画面を開くとLINEのメッセージが届いている。

 送り主は一ノ瀬で、メッセージには猫のイラストが「これからよろしくね」と言っているスタンプがひとつ、送られていた。


「プッ……あはは」


 つい先程まったく同じことを送ろうか迷っていたため、可笑しくて声が出てしまった。

 恵理は、すぐに「なにそれ、いまさら?(笑)」と返した。

 すると、今度は猫がズーンと沈んでヘコんでいるスタンプを送ってきた。

 どうやら一ノ瀬は、意外と絵文字やスタンプには抵抗がないらしい。

 そうだ、用件を伝えなくてはいけない。

 夕方にはアルバイトだと言っていたし、迷惑にならないよう早めに別れたほうがいいだろう。

 昼頃までに買い物を済ませて、適当にランチして別れる、でいいかな。

 どうせお店は10時頃から開店だし、約束は10時がいいだろう。

 よし、と頷いて恵理は「明日は10時に神戸駅東口で」という一文と、「よろしくね」と犬のイラストが付いたスタンプを送った。

 すぐに返ってきた「わかった」の文字を確認して、恵理はスマホを机に置いた。

 明日はどんな格好で行こうか。

 期待に、思わず顔がにやける恵理だった。


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