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第4話:在り方

ここは、どこだ…?

薄暗い場所だった。

よくわからない機械がたくさんあった。

ガラス越しに人影がみえる。

それは俺に近づいてきて…――




ジリリリッとけたたましく朝を告げる音が鳴る。

あぁ、夢か、と起き上がる頃にはそれはぼんやりと記憶の彼方へと消えていく。

見たことがある人が出てきた気がした。

だがそれもよくあることだろうと考えることを放棄する。

トーストを齧り、お茶を飲む。

いつもと変わらない、日常だ。


変わったことと言えば。


「ほらほら、隠れなさいよ!わかりやすっっ!!」


「アンタが封じたんだろ!俺の能力!!」


このただっぴろい地下室で小春とかくれんぼ(能力強化訓練)をしていることぐらいだろう。

最初はよかったんだ、最初は。

俺の"透明化"が使えて見つからなかった。

そんな状況も彼女の一言で無に帰ったが。


「みつかんない…つまんないじゃん。」


その瞬間風が吹いた。

この地下空間で、風が吹いた。

どういうことかわからない。

恐らく何らかの能力だと思うが。


「みーつけた。」


彼女はしっかりと、あの日のように俺を認識していた。


「気配だだもれだしー。」

にやにや笑う彼女に

「探査能力…?」

と問いかける。


「例えば、この蝶みたいな影で見つける、的な?」

といつの間にか俺の肩に止まる靄のような、影のようなそんなものを差す。


「ん~いいとこつくけどはずれ。」

とにや~と誰かを彷彿とさせるような笑みを浮かべる。

あのなんとなく、むかつく笑顔だ。


「改めて、初凪小春。能力は"無効"、よろしくね!」


チートばかりかここの人たちは。

でも、それよりも。

「うん、能力強化訓練ってなんだっけ。」


遠い目をしているであろう俺に

「能力使わなくても気配くらい消しなさいよ!!」

と慌てて言うもんだから、多分、忘れてたんだな。





なごんだところで地下を出る。

あの建物の下にこんなただ広いだけの地下室があるなんて誰が考えるだろうか。

七不思議だ七不思議。


「あ、お疲れ、燕クン、小春。」

そしてこの人も七不思議だ。

陽炎サンは常にこの部屋にいるかのようにいつもここに居る。


「あ、そうだ、陽炎サン。

 陽炎サンの能力ってどんなんっすか?」

叶恋さんは"創造"。

氷雨サンは"透視"。

小春はさっき聞いたと通り"無効"。

なら陽炎サンは?っとなったわけだ。


「ん~?僕?僕はねぇ…」

おもむろに陽炎サンは机の上のカップを手に取る。

次の瞬間、カップは消え去った。

砂のようにさらさらっと消えていった。


「お望みなら派手にもできるよ~。」

とカップを置いていたお皿を投げると

ドカァァン!!とそんな音がして…爆発していた。


「ちょっと、どうしたの!?」

音に驚いて叶恋さんが下りてきた。

普段は見れないような焦った顔をして。


「あの、陽炎サン、爆破、消え…」

混乱してまとまらない。

そんな様子を察してか手を挙げて元気に小春が代弁する。

「はーい、陽炎がまたカップとソーサー壊しました!」

「ちょ、小春その言い方はないよ~」


また、ということは前科があったのだろうか。

「説明するにもやり方があるでしょうに…」

と叶恋さんはためいきをつく。


「まぁとりあえずこれで一通りみんなの能力がわかったってことね。」


「あ、まそうっすね。」


組織という割にはあまりに少ない人数だが、これで全員らしい。


「これで君は君の在り方を考えられる。」


そんなよくわからないようなことをいいながら叶恋さんは紅茶を3人分入れ始める。

ひとつは俺に、もうひとつは小春に、そしてあとひとつは…


「あれ~叶恋ちゃん、僕のは~?」


「よくわからないって顔してるわね。

 簡単な話よ。他の人の能力とどう協力して能力を使うかってだけの話。」


「あれ~叶恋ちゃん聞こえてる~??」

と陽炎サンをガン無視して話を進める。


「なるほど…。」

それは初めての試みだった。

そもそも他にもこんな風に力を持つ人がいること自体知らなかった。

誰かと、どう使うか、か。


「ふふ、少し考える必要がありそうね?」

紅茶を飲みほしたらしい叶恋さんはそのままその場を後にする。


「か~れ~ん~ちゃ~ん、ごめんってば~!」

なんて陽炎サンの声に耳を貸そうともしないまま。


俺はどうあるべきだろうか。

しばらくはこれで悩むことになりそうだ。

評価つけてくださった方がいてほっこり喜んでいます。(*^^*)

頑張って続けるぞ〜と張り切っています。(p`・ω・´q)

基本ちょろいです。(小声)

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