俺、展開についていけず逃げる
本日ラスト!
本当は23時ごろにあげようと思ってたんですが、早く投稿しました!
これにて今日の投稿は終了です。
白石と友達になって一週間、高橋からの虐めはいつも白石が近くにいることでなくなっていた。
しかし白石と毎日一緒にいることで教室では虐められていた時より浮いている。
「正孝、聞いてる? この本今日発売なんだけど一緒に買いに行かない?」
そう言い見せてくるスマホの画面には『実録浮気相手は見た!』と書かれたいかにも売れなそうな雑誌が映っており白石は目を輝かせながら見ている。
最近わかったことなのだが、白石は都市伝説や修羅場、普通の女子高生は読まなそうな本が好きなようで、友達になってからというもの、変な本を持ってきては読ませてくる。
そのせいで、俺までそういう本にハマりだしてしまっている。
「今日は、ちょっと用事があるからパス。 行くなら一人でどうぞ。 あっでも読み終わったら貸して」
「一緒に行かないなら貸さない! それより用事ってなに?」
「あれだ、桜井葉月に呼び出されたんだよ。 放課後時間ありますかって」
「ふぅん、桜井さんと仲良くなったんだ。 元ボッチのくせに手が早いことで!」
なにを怒ってるのかわからないが、桜井葉月とは今まで関わったこともないし、なぜ呼び出されたのかもわかってない。
「仲良くないし、友達は白石だけだ。 なんなら桜井との用事が終わるまで待ってるか? それなら一緒に本買いに行けるけど?」
「まっまあ正孝がどうしてもって言うなら待ちますけど? 本当に仕方なくだけど」
「どうしてもだから、待っててくれたらありがたい」
「そっそう、じゃあ待っててあげる。 早く用事終わらせてね、早く買いに行かないと売り切れになっちゃう!」
安心していい、白石が読むような本は確実に売り切れない。
機嫌よさそうに自分の席に戻っていく白石の後ろ姿を眺めながら、そうは思っても口にはしなかった。
「言ったら殴られる・・・・・・」
***
放課後、最近なにかと屋上に呼び出されてる気がするが、俺は屋上に好かれてるのだろうか。
そんな意味の分からないことを考えていると、屋上の扉が開き桜井葉月がゆっくりとした歩みでこちらに近づいてくる。
茶髪の髪をサイドテールに結び、大きな二重の瞳に出るところは出て引っ込む場所は引っ込むスタイルの良さ、転校してきて一週間でカーストトップにいた白石を抜きカーストトップの立場になった女。
ちなみに白石は現状カースト圏外、俺と毎日一緒にいることで順位をつけられる対象から外れたらしい。
それでも男子女子共に人気は変わらない。
「待ちましたか?」
少しかすれたハスキーな声、その声が好きだと言う男子は多いらしいが、俺はこの声に魅力を感じない。
「そこまで待ってないですよ。 早速ですが今日呼び出した用事というのは?」
「本当に早速ですね。 今日呼び出した件は一週間前のことについてです」
「一週間前? 桜井さんと話すのは今日の朝が初めてだった気がしますが」
「覚えてないんですね。 一週間前屋上から飛び降りたのを」
屋上から飛び降りた、白石もそんなことを言っていたが、自分ではそんな夢を見たような気しかしていない。
白石と桜井が言うように飛び降りていたとしても、次の日俺は家で普通に起きたし怪我もしていなかったのだ。
「覚えてないのは仕方ないです。 でも言いたいことがあるのです。 屋上から飛び降りるなど命を無駄にする行為をしたのはなぜです。 本当は貴方に話を聞こうと転校してきた日に話しかけようとしましたが、クラスの方々に囲まれ、いつの間にか貴方の横には白石さんがべったり! ようやく一週間経って周りが落ち着き話せたのですから理由を教えてください。 理由を聞かなければ私が助けた意味もありません」
「助けたってどうやって・・・・・・」
「そんなの簡単ですよ。 落ちてきた貴方を衝撃を受け流しながら受け止めただけです」
「いや普通そんなことできないと思います・・・・・・」
「・・・・・・。 なら実際やってあげます」
そういった瞬間、俺の体は屋上の柵の外に放り投げられ重力に従って落ちていく。
そういえば、一週間前もこんなーーーーーーーーーー。
「思い出した!」
一週間前のことを思い出す。
屋上から飛び降りた俺は、地面に衝突する寸前、私服の桜井葉月に受け止められ死ぬことはなかった。
思い出したはいいが、今の状況は一週間前と同じだ。
このまま落ちれば待っているのは死、前とは違い恐怖が襲う。
『死にはしません。 私が下で受け止めますから』
今目の前に映っている光景は幻だろうか、桜井葉月の背中から機械的な翼が生え空を飛んでいる。
そんなファンタジーな光景に俺の頭は完全に停止した。
『私は製造ナンバー0012番、イカロス型のアンドロイドです。 以後お見知りおきを」
地面に衝突する前にお姫様抱っこで受け止められ何事もなかったように電波な自己紹介をする桜井葉月。
『私は人間の感情を学習するためこの学校に来ました。 ですから自分で死を選んだ貴方は私にとって、とても魅力的な人間です』
「いや、話についていけないんだけど・・・・・・」
『そうですね、簡単にいえば貴方はとても興味深い対象です。 なので人間風に言うと友達になりましょう。 そうすれば私は貴方から人間の感情を学習することができます。 どうでしょうか?』
無機質な人形のような表情で聞いてくる桜井葉月。
そんな桜井葉月に言う言葉は決まっている。
「お断りします!」
そう言って桜井葉月の腕を振り払いお姫様抱っこから解放されると、俺は白石との約束も忘れ校門から飛び出し、桜井葉月から逃げたのだった。
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