#3 人じゃない……!?
ガヤガヤガヤガヤ……
「いらっしゃーい。」「いいもの売ってるよー。」「その人こっちきてみてみないかい?」「安いよー!」
と、活気のいい声を複数聞こえながら町の門を通ると、ちょうど町では祭りをやっているようだった。焼き鳥のようなものやアイスのようなもの、どこかいつぞやの祭りで見たことがあるようなものばかり売っていた。しかし、そこで売っているものはあくまでも『似ているもの』だった。実際、焼き鳥や、アイスクリームを売っているわけではなく、それに似たものが売られているようだった。そして、何よりこの町に来て一番の驚きは、
メネ「人じゃない……!?」
そう、人ではなかった。異世界に来るとは知っていても初めて見る種族に、俺は驚きを隠せないでいた。耳がとんがっているエルフのような種族や、獣の顔で二足歩行をしている種族、ゴブリンのような種族まで、多種多様な種族が沢山いて、祭りを盛り上げているようだった。
メネ「異世界って聞くと、種族ごとに町や村、その一帯が分かれていて、種族によっては敵対しているものかと思ったが、そういうわけではなさそうだな。…………ん?」
町の中を探索していると、人気のない、いや獣気(?)のないような道でローブを頭まで着ている人一人に対し、三人のゴブリンが取り囲んでいる光景を目にした。耳をそばたててみると、
ゴブリンA「お前、この俺様に体を当てておいてただで済むと思うなよ!」
???「だから言ったじゃないですか!自分があなたに当たりそうなところを避けようとしたら、あなた達がふざけていて自分に当たったんですよ!」
ゴブリンB「なんだとゴラァ!!」
ゴブリンC「お前今のこの状況を理解して、もの言ってんのか!」
と、なにかの漫画でありそうなシチュエーションだった。その話を聞く限りではゴブリン達の方が非があるらしく、それでもなお、一人の人の方が悪いと言っているようだった。そのゴブリン達は怒りようが激しく、このままじゃあの人が危険な目に遭いそうだったので俺は、
メネ「どうしたのー?」
と、白々しく言い、その場に割り込んだ。
ゴブリンB「お前に要は無いんだよ!さっさと、この場から離れやがれ!」
メネ「それができないんだなあ、残念ながら。なんせ、一人に対して三人で取り囲んで、今にもなにかしそうな奴らを置いて立ち去ることができないもんですから、性格上。というわけで、その人を放しやってください。話を聞くとあなた達の方が悪いようですし。」
ゴブリンA「なんだと……?どうやら痛い目に遭いようだな……。」
と、バキバキと指を鳴らしながら、ゴブリンの一人がこっちに歩いてきた。
メネ「さてと、じゃあここらでスキルを試してみようかな?」
と、独り言のように言ってみると、
機械音のような音『ファイヤーボールを発動します。目線を発動対象に向けてください。画面にポインターが出てきますのでそれで良かったら、スキルを詠唱してください。』
と、機械音に似たような音を自分が掛けているメガネから聞こえた。少し驚いた。まあ、というわけでスキルを発動するわけで、手始めでゴブリンの近くの樽を燃やし、威嚇をしようと試みた。目線を樽に合わせると、それに合わせるかのように画面のポインターも合わさった。そして、右手を前に突き出し、叫んだ。
メネ「ファイヤーボール!!」
すると、自分の手から魔法陣が出てきたかと思うと、そこからバスケットボールくらいの激しく燃える炎の球が出てきた。その球が樽に触れると、
ドゴォン!!!!!!!
すごい爆発音とともに爆発した。
一同「「「「「えええぇぇぇぇ!!!??」」」」」
その場にいた全員が驚いた。俺も自分が出したスキルに驚いた。こんな音がすると当然……
「どうした!?」「ここで聞こえたぞ!」「あれだ!」「燃えてる!?」「早く誰か水を!」
町にいた人達が騒ぎ集まってきた。このままじゃまずいと思った俺は、
メネ「ここから逃げるぞ!」
???「は、はい!」
と、絡まれてた人の手を取り、民衆の集まっている通りの逆の通りへ走り出した。
メネ「皆さん…………すみません。」
町の人たちに謝罪の意を込めて、小さく謝って、走り出した。




