表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりかえっこ漫遊記  作者: ふとん
31/209

誰かと私

 ああ、時間がない。

 

 もっと、もっと。


 私はいつの間にか、今まで見たこともないような小難しい本を片手に猛勉強をしている。


 それは、簿記から秘書検定、英語、フランス語から中国語、果ては料理の指南書まで。

 ありとあらゆる勉強をしている。

 

 昼間は秘書として働き、夜は遅くまでずっと勉強だ。


 全てあの人のため。


(あの人?)


 あの日、車に轢かれそうになった私は、あの人に腕を引かれて九死に一生を得た。

 礼を言い募る私に、あの人は私を暖かく抱き締めてくれた。


 それから、いつの間にか私のことを調べ上げたらしく、自分の秘書として働かないかと言ってくれた。

 自分の可能性を試すチャンスだと思った。

 だから、一も二もなくあの人の手を掴んだ。

 

 勉強も、お洒落も、全部上手くやってみせる。


 だって私は、選ばれたのだから。


 あの人の目に留まるように。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ