スキル日本持ちの令嬢との婚約を破棄したら国が滅んだ話
「サナエとの婚約を破棄とする!」
私はサナエ・・・・突然、パーティーで婚約者ゲルド様は宣言をした。
お母様は異世界出身だ。
お針子のスキルを持っていたが、ミシン召喚で沢山の服を作った。
では、娘の私は?となったが、スキルはニホンだ。賢者でも分からない。今まではつどうしたことがない。
「貴様は黒髪族の血を引くくせに少しも役に立たない!よって、デイジーと婚約を結ぶ!」
「ゲルド様嬉しいわ」
ゲルドの両親は何も言わない。むしろウンウン頷いている。
だから、私は問うた。
「あの、私はこれからどうすれば良いのですか?」
「知るか。自分で考えろ」
お母様が亡くなった後、この伯爵家に婚約者と預けられた。
寄る辺はない。
教育もろくに受けていない。この世界の読み書きは出来ない。
お母様からならった異世界の文字と数字が読める程度だ。
「でしたら・・・少し、お金を頂きたいです」
「フン、何故、私が?今までかかった生活費を請求したいぐらいだ」
「・・・でも、服はメイドのお仕着せ。お給料ももらっていません・・・請求をしたいです」
「フン、なら良い事を教えてやる。貴族院に訴えればいいだろう・・もっとも後ろ盾がなければ無理だがな」
その時、ピカッと私は光に包まれた。
「キャアー、何?ゲルド様」
「デイジー!」
ガランと景色が変わった。
何?ここは・・・・私の母と同じ黒髪と黒目の人達がいる。
異世界の建物の中のようだ。
壇上にいる者が大声をあげる。
【判決!ゲルド及びミッター家に総額一億円の損害賠償を命じる!
理由、ゲルドは婚約状態であるにも関わらず浮気をした。その慰謝料、及び今までの未払い給金である。
尚、浮気相手、デイジー・スリーも慰謝料として300万円を払うものとする】
「ヒィ、何だ。ここは?」
「え、慰謝料?何で、私は女ですよ。お金払うの?」
すると、ボアと景色は消えた。元の屋敷に戻った。
皆、妖精に包まれた顔をしているわ。
伯爵夫妻は言う。
「いったい、何だ。これは・・・」
「サナエ・・・は幻術使いみたいだわ。でもこけおどしね」
「何だ。さすが父上」
「まあ、私は少し驚いただけだけどね」
すると執事が飛び込んで来た。
「旦那様!異形の者達が来ております!勝手に門をあけております」
「何!護衛騎士は何をしている!」
門の所に大勢の黒髪のおじ様たちが来たようだ。
【強制執行!ミッター家の家屋を差し押さえるものとする】
「これが令状だ!」
「ヒィ、何?」
家屋の中の家具が運び出されて・・・
「道具屋さん。これおいくらになるか?」
「う~ん。全部で百万円だね」
「ヒィ、何勝手に・・・」
不思議な事に護衛騎士も動けない。
黒髪族の人が「きょうせいしっこうぼうがい罪!」というと途端に大人しくなる。
「担当官、領地収入を差し押さえました」
「うむ・・・速やかにサナエ殿に・・・と手続きに時間が掛かる。シャルターを紹介しよう」
「さあ、サナエさん。こちらですよ」
「・・・はい」
「私は女性警察官です。ご安心を」
いきなり、屋敷の庭園内に建物が出来上がっていた。灰色でガラス張りの建物だ。
「さあ、入って」
優しそうな女性が診察してくれる。
「私は医者です。この世界では回復術士ですわ。診断の結果、栄養失調、過度の疲労・・・休養を取り栄養をつけましょう」
「はい」
食事は美味しい。
「栄養管理士です。徐々に栄養をつけましょう」
「はい・・」
「娯楽室をご利用しますか?」
「はい」
テレビを見たり、ゲームをしたりする。楽しい。お母様のいた世界は相当魔道文明が進んだ世界なのだろう。
「ゲルド様とデイジー様は?」
「はい、強制執行中です。入るお金が強制的に最低な生活を送られる分だけ残して天引きをしております」
「まあ・・・・」
「口座をごらんになりますか?」
「え・・・」
カードと小さな箱を渡された。スマホというらしい。
「これで見られますよ」
「うそ・・・大金貨1万枚を超えているわ・・・これは大商会長の個人資産を超えるわ」
すると、黒い貴族のような服を着た男性が説明してくれた。
「・・・為替ルートが、この国のお金の価値が低いですから、日本円の数十倍とらないといけないのです。まだ、続きます」
「そうなのですか・・・」
「お屋敷は競売にかけられますよ。ご覧になりますか?」
「・・・はい」
屋敷売られちゃうんだ。
屋敷前に大勢の黒髪・・・いえ、染めているのかしら。金髪や茶髪、それに髪がグルグル巻いている中年男性達がいた。
「あれは、不動産ゴロです。パンチパーマが多いですね。貴女は話さない方が良いですね・・」
「はい・・・」
競売が始まった。
伯爵夫妻も参加を申し出ているが、どこからかお金を工面したようだ。
「おい、債務者は参加出来ないぞ!」
「そ、そんな」
「そうだな。この屋敷はでかいだけでガスも電気も通っていないな~」
「デカいだけでバリアフリーもない」
「うんじゃー、一千万円かな・・・」
「いや、俺は一千万一円!」
勝手に競売が始り。
「一千万百五十円で落札!度外道不動産!」
「よっしゃ」
そして、パンチパーマのおじ様が私の所まで来た。
「よう、姉ちゃん。この物件買わないか?」
「・・・はい、おいくらかしら」
「一千二百万円だ。登記、諸費用も込みだ」
「はい、買います」
【術式!オーナーチェンジ!】
とおじ様が叫ぶと・・・私が伯爵邸のオーナーになったようだ。
「ヒィ、サナエ・・・頼む。住まわせてくれ」
ゲルド様が懇願するが・・・
「いいですよ。でも、おじ様の説明だとお家賃がかかります。月二百万円です。金貨200枚相当だそうです」
「ヒィ、それじゃ、メイドも雇えない金額だよ!」
「ごめんなさい。登記をしているから・・・安く出来ないと言われたわ」
私は屋敷内のシェルターに住む。
客人達が訪ねて来る。黒髪族の人達だ。
「サナエ様、ここらで自宅を建てて見るのも如何ですか?」
「・・・はい、お願いします」
伯爵邸が日陰になる高さの建物が出来た・・・・
豪勢な生活を送る。昼間のように明るい灯。食べ物を温める魔道具、冷ます魔道具・・どれも快適だ。
「異世界では電気が魔素なのね・・・」
そのうち、私のお父様が騎士団を引き連れてやってきた。
「サナエ!スキルが発動したな。王宮に帰ってくるが良い」
「・・・陛下、それは嫌です」
「父と呼ばないか」
陛下、私は父と呼ぶのを禁止されている。
お母様をこき使った男だ。
段々、腹が立ってきた。
「絶対に王城には行きません」
「なら、無理矢理連れて行くぞ!」
「「「「御意」」」
その時、また、光った。
「何だ!」
今度は茶色のマダラ模様の人達が10人ほど出てきた。
「当職は自衛官です。とりあえず正当防衛を行使します」
「はい・・・でも、あれは近衛騎士団です・・・」
ジエイカンたちは少数だ。かなうはずがないと思ったが。
「撃て!」
ダダダダと音と共に騎士達が倒れた。
「ヒィ、次は軍団を連れてくるぞ」
父は去ったが、また来るようだ。
「サナエさん。テレビをつけて下さい」
「はい・・・」
テレビをつけたら。コッカイ中継なる物が放送されていた。
「異世界防衛出動!可決!」
「ヒィ、戦争に巻き込まれるーーーー反対!反対!」
おば様が叫んでいた。
それに対して、また違うおば様が諭していたわ。
「これは、異世界に拉致された邦人の子を救う出動です」
「ヒィ、それは、話会いで解決しませんか?」
「とにかく承認はとれました・・・」
女の王かしら・・・
画面に向かって話し出した。
「・・・自衛官の皆様、思いっきりやって下さい!」
・・・・・・・・・・・・・・
この王国は空を飛ぶ鉄のドラゴン、鉄の地竜、鉄礫を放つ杖を持った兵達に鎮圧された。
「ヒィ!サナエ、父を殺すのか?」
「サナエ、婚約を結びなおそう」
裁判と言うものが行われた。陛下は誘拐の責任者として懲役刑、刑務所はこの王国の刑務所になるそうだ。そしてお母様を相続した私に召喚した慰謝料、服の売却益、賃金。
それに私が陛下の血を引いていることを考慮して・・・・
「以後、サナエ殿がこの国の王である!」
「「「「バンザーイ!」」」
茶色の兵達の雄叫びが城下に木霊した。
私は・・・
「日本に行きたいです」
「それも可能です」
この国を去った。
大勢の民は私の母の召喚は関わっていない。
だから、王国の管理は・・・第三セクター方式にしてもらった。
観光地になった。
「東京異世界ランド開幕!」
「何故、東京なんだよ!」
王都だけ観光地にしてもらった。
これが良い事なのか悪いことなのか分からないが、今は学校という物に通っている。
最後までお読み頂き有難うございました。




