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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

エッセイ

帯状疱疹になってしまった

作者: 山本大介

 なってしまいました。


帯状疱疹にかかってしまった。

まさかこの私がである。

青天の霹靂とはこのことだ。

なんて油断もあったものだから、当然気づくのも遅れてしまった。

最初の違和感は両親の念願だった夫婦絵画展の準備を手伝ったあとの翌日だった。

左脇が筋肉痛みたいな痛みがあったので、普段使わない筋肉を使ったからかなという感じでスルーしていた。

この痛みが数日続き、続いて背中に発疹が現れてしまう。

それに気づいた奥さんから、

「背中に発疹できとるよ。大丈夫?」

と、尋ねられたももの、私はただのあせもと思い込んでしまい、

「大丈夫。たまーになるあせもだよ。きっと」

と、スルーした。

・・・ところが。


翌日、その部分が水疱となっていた。

「これって・・・ひょっとして胴巻き(帯状疱疹)じゃないの」

と言う、奥さんに、

「まさか、(発疹)広がってないやん」

と、またもスルー。

だけど、心なしか患部に痛みを感じるようになっていた。


また翌日、仕事中から背中がはっきりと変な痛みを強く感じるようになり、家に帰って確認すると、左の背中から脇にかけて発疹が広がっていた。

折しも連休中のことである。

「ほら、言ったろうが、緊急で病院いく?」

「いやあ」

「ほら、ぐるっと発疹が回ったら死ぬって言われとろうが」

「・・・そう言われとるけど・・・調べてみるたい」

私はスマホを片手に帯状疱疹を検索してみた。

ぐるっと全身に発疹が回るのは迷信らしくて、半分回るのが真実らしく、どうやら死なないらしい。

「大丈夫。迷信らしい」

「本当?大丈夫?」

「いや、ま、そこまで痛みないし。明後日は連休明けの休みだから病院に行くよ」

「お願いね」

奥さんの言葉に私はそう返し、平日までの1日を我慢することにした。

で、気付くと左胸部までぐるりと発疹のベルトは巻いた。

わずか1日2日のうちに、どんどんと発疹広がっていって水疱が現れだした。


・初期 挿絵(By みてみん)


今思えば、かなりの前兆予兆があったが、私の生来の楽天さ思い込みの激しさからスルーし、こうなってしまったのは反省である。

だけど、はっきりとした発疹と水疱の広がりは、ここ2日の間に一気に広がったもので、まさかなるとは思わなかった、帯状疱疹の症状を少しでも知っていたらなと思い至り、後悔は先に立たずなのである。


翌休み、朝イチで皮膚科へと駆け込んだ私は、先生に診てもらう。

「帯状疱疹だね・・・1週間ちょっとは痛いかな」

との病状確定のお墨付きをいただいた。

看護師さんから発疹の手当てにガーゼをを巻いてもらっていると、

「これは(ヒドイ)・・・連休やったもんね」

と、一言、

「そうですね」

と、私は苦笑いを浮かべ返す。

「痛かろ」

「はい、仕事は出来ますか?」

「痛くなければね」

流石に先生たちは、帯状疱疹を何度も診察しているので万事軽い感じで会話されるが、こちとら帯状疱疹バージンなのである、ほら、もっと、なんか、注意すべきとことか言って欲しいの・・・。

「はい」

と、ぽんと手渡されたのは「帯状疱疹」の手引書みたいなやーつだった。

薬局で抗生剤と痛み止めの薬を処方してもらい、滞在時間30分のスピード解放となった。


本当は心の中で点滴とかひょっとして入院とかあったりするのかなと不安だったが、あまりのゆるい感じに拍子抜けしてしまった。

しっかし、直前にネット情報で調べて行ったので、頭の中は不安で一杯だったので、思っていたのと違う病院対応の落差に面食らってしまった。

私がすこぶる元気な様子で行ったので、個々の体調を考慮しての部分はあると思うが・・・。

帯状疱疹ってそこまで・・・いやいや、入院する人だって、生死にかかわる人だっている病気なんだから、やはり油断は禁物なのだろう。


という訳で、仕事をどうするかと思った。

場合によっては休みをとろうかとも考えたが、病院でのノリを考えると、自己判断で行ってもいいんだろうなと・・・。

そこで困った時のネット検索、学校や病院に携わる方は休みケースはあるみたいだが・・・やはり痛みと相談しての自己判断のようだ。

とりあえず会社には明日出勤するというメールを送り、安静にする。


休んでいると・・・。

まあ、大丈夫だろう・・・仕事も大丈夫そうだ・・・大丈夫じゃないのかな・・・でも、なんだか悔しい、具合が悪ければ絶対安静なんだろうけど・・・。

本当は痛みが残り続ける後遺症(帯状疱疹後神経痛)の恐れもあるので、出来れば数日仕事は休みをとって、安静にすべきかなと、でも、そうもいってられないのが仕事の現状だし、私の身体はそこそこ動けるのだ。

後遺症という一抹の不安が過ぎるが、痒みや神経痛は普通にあるが、我慢はできる。

でもね、本当のところは分からんのだ、この判断がいいのか悪いのか?結局、一番大事なのは自分なのだから、そんな葛藤を抱えつつ、すてきな身体に産んでくれた親には感謝とともに、休まないという選択をとった自分に残念さを覚える。

しかし重症化しなさそうとはなんとなく、50年以上この身体と付き合っているので分かっているつもりで信じてみる・・・それしかない。

だけど、本当にそれが正しいのか不安で仕方がなかった。

なんせ帯状疱疹なんてかかったことの無い病気で分からんのが正直なとこではあるのだから。


・最高潮 挿絵(By みてみん)


抗ウィルス薬と鎮痛剤それから塗り薬をはじめる。

次第に強い痛みが治まり、徐々に水疱が枯れて瘡蓋となるが、背中と胸の痛みと痒みはしばらく続いた。

最初の方の痛みは鈍痛やピリピリ突っ張ったような神経痛?のオンパレードだった。

日が経つにつれ少しずつ、それが和らいでいった。


風呂なんぞは3週間ほどシャワーで済ませた。

結局、仕事は休む事なく行った。

はじめの2週間は、ハードな仕事を外してもらい、自分の身体と相談しながら、16時前後と早目に退社させてもらい、体調を整えるよう心がけたのだった。


そうして、およそ一ヶ月帯状疱疹と向きあった。

背中や胸にまだ痒みやちょっとした痛み、瘢痕は少し残っているものの完治宣言とすることにしよう。

で、書いておきたいことは、何事も初動が大事なんだということである。

気づいた時に行動する。

何事もそうなのである。

最初に過信せず、帯状疱疹の症状を少しでも知っていて、すぐに病院に行っていたら、きっともっと早く治っていただろうことは容易に想像出来るから。

タラレバだけど、人生の経験値として、次に活かせたらヨシとしよう。

以上、帯状疱疹になってしまったのお話はおしまいである。


のち 挿絵(By みてみん)


 ダカラ、書いてみました。

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― 新着の感想 ―
背中広くてカッコいいですね〜(関係なくてごめんなさい)
コロナワクチンは何回接種されましたか?
大変なことでしたね。 私も母もすごくよくなる人で、苦労してました。 栄養あるもの食べて、養生してください。
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