自意識過剰
入院する事になったゆっきー、その初夜。
(入院って初めてだな。なんかわくわくするかも)ガタッ! 何か音がした。
(気のせいか?)ガタッ!
まただ、ゆっきーが何か心で呟いた時音がでる。
「なんだよ! 誰か俺に文句あるのか!?」
シーン……。
八人部屋は静まり返っている。
「なんなんだ……」
ゆっきーはトイレに行った。夜の病院はそれは怖いものだ。だが、ゆっきーは今腹が立っているのでそれに気付かなかった。
用をたしてトイレを改めて見る。誰か……いる?見られている気がする。ゆっきーは個室を一つずつ開けていく。しかし、何もなかった。ホッとして病室に帰る。自分のベッドへ行くと枕が無くなっていた。
(あれ?)
って思ったが、答えはすぐに出てくる。窓が開いている。
(まさか……)
思った通りだった。自殺できないように格子があり、人が出ることはできないが、その隙間から見える。枕が外の芝生にあった。
「誰だ!? 枕を外にやった奴!」ゆっきーは怒鳴った!
返答はない。
ナースコールをする。直ぐに看護師が駆けつけた。
「どうしましたか?」
「誰かが枕を外に!」
「へ?」
看護師が外を見る。すると。
「ソイツ、自分でやったんですよ!」
誰かが言った。
「そーそー、俺等見てたから」「くすくす」「そうですよ!」
七人はグルだ! ゆっきーは遂にキレて一人を殴ってしまった! 看護師はナースコールで応援を呼ぶ。そしてゆっきーは精神科へと移動となった。
(人生を振り返る時、昨日の暴力は汚点だ。精神科なんて罹ってしまうなど家族に申し訳ない……)
医師の判断の元、個室になった。病名は伏せられた。期待していた食事は心に沁みる。涙が込み上げてきた。しばらくすると、面会の案内があった。両親と会社の上司だ。
「初雪くん。どうだね? 調子は?」
上司が聞いてきた。
「はい。全然、どこも悪くないんです。たまたま偶然が重なっただけでして……」
「だが、入社早々これではな……。自己都合にしてあげるから辞める準備をしておいてくれ」
なんと、クビだ。ゆっきーは驚きより怒りが込み上げてきた。
「なんだと!? 偶然が重なっただけって言っただろ!」その体が心の病を現していた。母は泣いている。父はゆっきーを抑えている。上司は取り乱すことなく帰っていった。




