10話「暴走した女はいつか終わりを迎えるのです」
暴走しわがまま放題だったカサブランカはついに国王の命により処刑されることとなった。
「カサブランカ、お主、よくもここまで我が王家をずたずたにしてくれたな」
「陛下! 勘違いです! あたしはただ、王家に逆らう者を消すことでこの国がいつまでも平和であるようにと思っていただけです!」
急展開で窮地に追い込まれたカサブランカ。
彼女は処刑という死が見えてようやく焦りの色を見せ始めていた。
「何を言うか。侍女やら何やらをどんどん処刑しおって」
「あれは! 心ないことを言う輩だったからです! あたし、良い行いをしている者たちまで処刑しろなどと言ったことは一度もありません!」
正当性を主張するカサブランカだが。
「だが痴漢行為をでっちあげたことはあっただろう?」
「っ……」
それにはさすがに何も返せなかった。
「ほらな、お主はやり過ぎなのだ」
「どうしてこんな……あたしはただ、この国のためにと思って……」
今度は嘘泣きをし始めるカサブランカ。
しかし国王はそんなものに騙されはしない。
「もうよい。処刑は決まったことだ、これ以上話すことなどないわ。そこの者、カサブランカを連れて行け」
国王が命じれば、付近にいた手下は「はっ」と返事をしてカサブランカの腕を掴む。
「ちょっと! 離しなさいよ、無礼者!」
「陛下の命令ですので」
「あたしは将来の王妃よ!? こんなことするなら、絶対死刑にしてやるんだから!!」
「ご安心を、その時は来ませんので」
「ふざけないで! この国はもうあたしのものみたいなものなんだから! 離しなさいよ!」
「大人しくなさってください」
――その後、カサブランカは処刑された。
人々の目の前で。
大衆の視線のある場所で。
彼女はみっともない最期を晒すこととなったのだ。
そして、王子ルミッセルもまた、父である国王より罰を受けることとなった。
カサブランカの暴走をもっと早く止めるべきだったのに止めなかった、ということで、数年の謹慎を求められることとなったのである。
誰もいなくなった城内は不思議なくらい静かで。
「ふぬぅ……困った困った……」
国王は疲れたような溜め息をこぼしていた。
◆
朝、目を覚ますと、いつも部屋の入ってすぐのところにアボボロボニカが一輪飾ってある。
何でもこれはバーレットの指示によるものらしい。
「ローゼマリン様、朝食をお持ちしました」
「あ。ありがとうございます!」
ここのところ私の世話をしてくれているのはスライム人間の侍女プレアだ。
「先日のご希望通り、ハムを多めにしております」
「わ……! 本当……! ありがとう、嬉しいです」
「お気に召したなら何よりです」
「伝えてくださってありがとうございます! プレアさん!」
「いえいえ」
ここでの暮らしは楽しい。
それに何の不便もない。




