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鼓膜のおななし

作者: 紫藤 楚妖

※本作品はフィクションです作中の行為はでたらめです。絶対にマネしないでください。



「はーすっきりした」

日課にしている風呂上がりの耳掃除も終わったしさっさと寝るか

「目覚ましもセットしたし、ぐっすり眠るぞ」




「あーあ、これはいけない」

気が付くと俺はリクライニングの座席に座っていた。横には白髪のおじいさんがいた。

「おまえさん、 風呂上がりに綿棒で耳掃除したじゃろ」

俺は訳も分からぬままつい返事してしまう。

「はい、風呂上がりに綿棒で耳掃除するのは日課です。それよりもここはどこですか」

「そんなことはどうでもいい。大事なのはお前さんの耳の奥には綿棒で押し込まれた耳垢があるということだ」

「え、毎日きれいにしていたつもりが…」

「とれたものもあるだろうが、大部分は奥で固まっておるよ」

「そんな、何とかなりませんか」

「わしに任せろ。さいわい、耳毛の処理などはちゃんとやっとったみたいじゃな。耳の穴もまっすぐじゃからやりやすい」

そういうとおじいさんは先の曲がった金属の道具を手に取った。

「では、いくぞ。すでに薬は入っておるから塊も取れやすかろう」

スーー、コリッ、コリッコリッ

耳の奥を掻いているようだ。あれで奥の塊が取れるのだろうか。

ゴボッ!

「ヒっ!」

すごい音と同時に耳の奥にすごいかゆみがはしった。

「みろ、これがお前さんの耳に入っておった」

出された手の上にはおそらく耳に穴の形そのままだろう丸く、黒く変色した耳垢がのっていた。

「耳垢が取れてかゆかろう。すぐ掻いてやるからな」

すぐに耳かきで掻いてくれて助かった。おじいさんは優しすぎず、かつかゆみが取れる絶妙の力加減で掻いてくれた。

「しかし、塊をとってみて分かったが、お前さんの鼓膜、変質しておるな」

「はい?変質?」

「うむ、耳垢にカビでも生えておったのだろう。その影響やもしれぬな」

「ど、どうすればいいですか?」

「鼓膜をとるしかあるまいて。心配いらん。このような事態ならわしは経験がある。まずは、よッと」

そいいうとおじさんは私の頭をかるく指ではじいた。

「これで痛みは感じん。ではやるぞ」

(本当に大丈夫なのか…)

スー、スー、スー、ピッ!

「よしとれたぞ!」

「え、本当に痛みを感じなかった」

「任せろと言ったじゃろ。おお、時間はもう残り少ないようじゃ。もう片方の耳はお前さんを向こうの世界に戻しながらやるとしよう」

「え、それはどういう意味で…



ぴぴぴぴぴぴぴぴぴっ!!!!!

「うわっ!!

カチッ

ああ驚いた。いつもより目覚ましの音が大きい気がする。

もしかして、あれは夢ではなかったのか。





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