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白銀伝  作者: リアル思考
1/1

切迫

架空の百年戦争を書いたものです。ぶつかり合う甲冑、軍馬、武器。

ぜひ浪漫を感じてください。

王は失望していた。大地は他人のものとなり、親愛なる兵どもは血の海に沈む。

これほど絶望的な状況はフランドル王国にかつてもたらされたことはなかった。

フランドル王国は記憶や記録もあやふやなほど遠い昔、イギリシア王国の不当な宣戦布告により二国は交戦状態に陥った。


その戦争の理由はフランドル王国の王位継承問題である。

フランドル王国の先代の王には、子はおらず、養子や遺言も残さなかったのであった。王の死後、この王の妻はイギリシア王国の姫であったため、この姫を女王に立てよとイギリシアは突如として主張し始めたのである。

このあからさまな間接侵略行為に、このままではイギリシアに主権を乗っ取られると言うことで、先代の王の甥であるドメーヌ・フランクリンに主権を委託すると主張した。

二国間の意見は対立し、1ヶ月間の大討論の末、結局破錠。イギリシアは歩兵約二万騎兵約一万二千でフランドル王国の南、ケルン地方に上陸した。フランドル王国は圧倒的な騎兵、歩兵、地の利に有利であったが、イギリシアの長弓隊の前では突撃の前に射殺されてしまい、敗走を重ねる始末であった。(むしろベランズ突進公の無策な突撃にも大きな問題はあったのだが。)

幾たびの負け戦の末、フランドル王国の北側ケルン地方おろか西側のバドゥ地方も占領されてしまったのである。

これがフランドル王国とフランドル王にもたらされた状況である。

ケルン地方は羊毛と小麦の主要な産地であったし、バドゥ地方は南西の国ヒスパニア帝国との貿易の要所であった。これらが占有された今財政は圧迫し、王が頭を抱えるのも妥当である。

王は半場諦めていた。このままイギリシア王国の属国になろうか。少なくとも抵抗なく従えば命は助かるだろうし、あわよくばどこかの領主として任ぜられるかもしれない。

第一なんの功績もない先代の王、ドメーヌ・フランクリンの息子がフランドルを治めるなど無理な話なのだ。自分ははっきり言って無能。兵もベランズ突進公の所為で壊滅。自分に責任は無い。

そんな言い訳を頭で繰り返し、降伏と抵抗を天秤にかける。

しかし簡単に答えは出ていた。

「降伏」である。


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