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第15話 セルフオーダー「精力剤」

さっき、息子が来る前にこっそりと村長から手渡された箱。

そこには黒くて丸い薬が5つ入っている。

なんでもヤモリを黒焼きにしたものが原料らしい。


「そろそろ、これが必要になるかなと思ってな」


いわゆる精力剤というものだ。

確かにずっと若い村長の息子と違って、僕は精力減退が起きておかしくない歳だ。


30年間、ずっと使ってこなかったから、精力減退なんて。

と言いたいところだけど。


もしかしたら……と思うと心配だから飲んでおくことにした。

それも、せっかくだから2割強化した丸薬を。


「これって、どのくらいで効き始めるんだろうか?」


もう少しすると、晩御飯をもってソフィちゃんが戻ってくる。

ふたりで楽しく晩御飯して、その後。


ふふふ。期待してしまうな。


えっ、なんか身体がぽかぽかしてきた。

お酒を飲んだ時のように……身体の中でエネルギーの循環が起きているような。


「!」


やばい。もう、硬くなってるぞ。

なんて、効き目が早いんだ。


どうしよう。むらむらする。

あー。僕にはまだ必要ないものだったのか!


むらむらした気持ちを持て余していたら、ソフィちゃんが戻ってきた。


「おいしそうなキノコをもらったから塩肉と一緒に炒め物にしたのよ」

「ああ」

「さぁ、食べましょう」

「えっと」

「あれ? もしかしたら、キノコ、嫌いなの?」


キノコの話を聞いても上の空の僕を見て、そんなことを言う。

別にキノコのせいじゃない。ヤモリのせいだ。


「食事は後にしませんか?」

「えっ、お腹空いてないの? もしかして調子悪いの?」

「調子は悪くありません。元気すぎるのが問題です」

「どういうことかしら?」


面倒くさいから、全部話してみた。

要は食事より先にしたいことがあるってこと。


「もう、村長さんたら。そんなの必要ないわよね」

「まぁ、そうなんですが。そうは言っても飲んでしまった訳でして」

「じゃあ、食事は後にしましょう」

「そうしてもらえますか。それと」


箱から丸薬をひとつ、取り出した。

もちろん、しっかりと強化済みの丸薬だ。


「これが精力剤の強化した物?」

「そうです。のんでみませんか?」

「えっ……そうね。私も、ってことね」


僕だけだとバランスが悪いと言うか。

ソフィちゃんがどうなってしまうのか、見てみたいというか。


「分かったわ」


ソフィちゃんは晩御飯と一緒に持ってきた木のコップに入ったレモン水と一緒に丸薬を飲んだ。


「どう?」

「あっ、もう身体がぽかぽかしてきたわ」

「でしょう? 即効性みたいです」

「あ。あ。えっと」

「効いてきたみたいですね」


ソフィちゃんの瞳がキラキラしてきた。

きっと欲情しているのだろう。


「ね。食事は後にして。ね」

「うん。そうしましょう」


結局、食事は晩御飯ではなく、朝御飯になってしまいました。


☆  ☆  ☆


「村長さん。昨日いただいた、あれ。お返しします」

「えっ、なんでだ? 効果なかったか?」

「効きすぎです。もっとも、強化した僕も悪いんですが」

「あれを強化した? もしかして、すごいのか?」

「いやぁ、僕が飲んだあと、ソフィちゃんにも飲ませて。大変でした」


あ、村長さん、スケベな顔になった。

想像してやがるな。


「まだ、僕らには早い気がします」

「じゃあ、残った丸薬、返してくれると?」

「はい。残っている丸薬も強化してありますから」

「おおーー」


あー、完全にスケベ顔になっているぞ。

エロ村長と呼んでやろうか。


「どうぞ、有効活用してくださいね」

「もちろんだ」

「悪用してはダメですよ」

「何を言う。悪用なんてしないぞ。良いことに使うんだ」


エロ村長はドスケベな顔でそんなこと言う。

どんな良いことに使おうと思っているのか?

そこは男同士。余計なことを聞くのはやめよう。


「必要なら、また丸薬持ってきてくださいね。強化しますから」

「おーー。それはありがたい。常備しておきたいからな」


もう、気持ちはどこかに行ってしまっているエロ村長。

まぁ、せいぜい有効活用して、楽しい開拓村エロライフを実践してくれよな。


お菓子をもらった子供みたいに嬉しそうな顔で帰るエロ村長をみて。

そういう下らないことが、村に溶け込むということだと、なんとなく感じていた。


なかなか元気なんです。


というのはおいておいて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 元気なことはいいことですね! 羨ましい!
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