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はいいろ
匂わす程度
香る程度
“仄かに”なんて
くさいセリフは
僕の語彙には
含まれない
白も黒も
はっきりしない
どこまで行っても
それは“グレー”
あぁまた君はそうやって
はっきりしない色と言葉で
水面をそっとかき回し
見えないように濁すんだ
泥水の
上澄みだけを差し出して
飲んでみて
そうやって嘘をついていく
本当がどこかに混ざっていても
どこまでが本当で
どこからが嘘なのか
飲み下す僕のフィルターは
濾し取ることも
選り分けることも
ましてや
塗り直すことなんて
できないし
できやしない
君の言葉をのんでいく
体の中から君に染まる
はっきりが曖昧になっていき
いつしか君になっていく
君は
君が好きなのかい?




