15/57
錬金術
どんなに頑張ったとしても
無から有は生み出せない
そんなこと
わかり切っているというのに
どうしてあなたは私の前に
平気な顔をぶら下げて
そうやって笑って立ってるの
私の中には何もない
なのに何かが燃えていえる
酸欠で息が苦しいのに
パチパチと火花が散っている
おかしいの
だっておかしすぎるでしょ
燃えるものも燃やすものも
どこにも残ってないはずなのに
あなたがくべた賢者の石が
何かを生み出し続けるの
どっか行って
出てこないで
にやけた顔の錬金術師
もう私に
かまわないで




