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【完結済】英雄と呼ばれた破壊者の創るこの世界で  作者: こうしき
第二章 destroyersー破壊者達ー

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第四十一話 ただ彼女を救いたいという純粋な気持ち

「それじゃ、また上でね」


 そう言ったアンナの背中はすぐに見えなくなった。まだ少し彼女の体温の残る右手を見つめ、ぐっと握りしめて拳に変えると、ネスは自分の胸をトントンと叩いた。



(やっとここまで来たんだ)



 誕生日の翌日に故郷を出て約半月。想像もしていなかった自分の使命と宿命。自分は井の中の蛙だった。世界はこんなにも広く、眩しかったのだ。何もかも知らないことだらけだった。


 この階段を上った先には、きっと、見たこともない景色が広がっているのだろう。



 ──と。



 背後からコツコツと石畳を打つ靴音が聞こえる。階段を上ったと見せかけて、アンナが塔を一周して来たのだろうか。


 ネスは振り返る。背の高い女性がこちらに近づいて来る。顔の上半分を覆う飾り気のない仮面。髪が長く、その色は──


「あ、あれ……?」


 白みの強い透き通った金髪。今なら分かる。その色は、彼女が限りなく魔法使いに近いということを表している──そう、今なら分かる。初めて彼女に会った時、ネスにそんな知識はなかった。


「あっ、あぁ……」


 体の震えが止まらない。


 思い出す──いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。

 

 固まっていた記憶がゆっくりと溶解してゆく。



「私のこと、思い出してくれたみたいね」



 仮面を外した彼女は、ネスの目の前で立ち止まった。ノルで出会った魔法使い──彼女はそう、(ヴェース)破壊者(デストロイヤー)ティファラ・マリカ・ラーズ。


「それにしても、あなたには失望したわよ、ネス・カートス」


 顎を引き、少し首を傾げたティファラは、上目遣いでネスを見た。


「ふふ」


 火が灯ったように全身が熱くなった。ティファラの唇の感触を思い出し、ネスはがばっと、右手で唇を隠した。


「あら、思い出したの? でもあなた、大事なことをまだ思い出していないでしょ?」


「なっ──あ……ああああああああああああぁぁぁっ……!!」



(嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!!)



「本当にがっかりだわ。あの女の心があなたのものになれば、私は誰も殺さずに、あの女から愛しい彼を取り戻すことができたのに。何の為にあんな夢をみせてあげたのか」



(あの女──────彼────!)



 次の瞬間、ネスの中で何かが弾けた。


 蘇る記憶。蓋をしても次から次へ、溢れ出してくる。嫌なのに、嫌なのに、嫌なのに、嫌なのに。


 

(そうだ、俺は、夢の中で、アンナを──アンナを──!)



「ああ……ああああああああぁぁぁぁぁぁあああっ!」


 膝に力が入らない。ネスは頭を抱えて床へ崩れ込んだ。


「そうそう、その顔が見たかったのよ! 絶望した? それとも興奮した?」

「だ、黙れ……」

「冷たいのね、折角再会したんですもの、名前で呼んでよ、ネス・カートス」


 膝と肘を床につき、前のめりになったネスの目の前に、ティファラは屈み込んだ。


「さあ、私の名前を呼んで。従者達は私のことを名前で呼んでくれないんだもの、寂しいのよ」


 ネスは汗まみれの顎をティファラに掴まれ、くい、と引き上げられた。まただ──あの時と同じように動けない。


「ティファラ……さん、どうしてこんなことを……」


 冷静になれない今のネスに、ティファラの目的を掴むことは出来なかった。彼女は既に答を口にしていたというのに。


「ティファラもいいんだけど、もう一つの名前で呼んでよ」

「もう一つの名前って……」

「あら、知っているんでしょう? 何度も呼んでくれたじゃない」


 ふふ、と歪んだ笑みを浮かべたティファラは、ネスの心に土足で踏み込んだ。


「ララ」


「──ララ、だと?」



(つい癖でね……『これ』を言うとリリィは怒るけど、ララは煙草が嫌いだったから)



 ──ララ。



(おいおい、勘違いしないでくれ。ララはもうこの世にはいない。今はリリィと婚約中なんだ)



 ──ララ。



 ノルの町で──エリックが口にした言葉を──ネスは思い出す。



(ティファラがララ……そしてアンナがリリィ──そういうことだったのか)



「ネス・カートス。あの女を奪うのなら早急に決断しなさい。そうでないと私、この儀式が終わったら彼女を殺しちゃうから」


 ネスの顎から手を離し立ち上がったティファラは、仮面を顔に着け、来た道を戻って行く。


「待てよ」


 渾身の力を振り絞り、立ち上がったネスは、ティファラの背中に向かって叫ぶ。


「あなたがララさんなら、何故、生きている! エリックは、あなたは死んだと言っていた」


 頭の中の情報を冷静になって整理する。今、自分がしなければならないことはなんだ。ティファラを問いただして、こんなことを聞いている時間はないはずだ。


「あら、そんなことも分からないの?」


 振り返ったティファラは、焦らすように言葉を切る。


「世界は広いのよ、ネス・カートス。死人くらい生き返るわ」


「答えになってねえよ……」


 ティファラが次の言葉を発する前に、ネスは走り出していた。自分の上るべき階段を駆け上がる。ティファラよりも先に、アンナに接触して真実を告げなければ。あんな女の言葉で、アンナを傷つけたくない。


 しかし、どう言うべきなのだろう。アンナの傷を少しでも浅くする為に、何と言葉をかけたらいいのだろう。

 ネスは瞬きをするのも忘れ、長く真っ暗な階段を上りきった。


「アンナッ!」


 目の前が開けた。吹き抜けの空間に、自分の声がこだまする。

 ネスが立っているのは二メートル四方の、まるで裁判所の証言台のような半透明の足場だった。足場の下の、だだっ広い空間の最下層からは、目で捉えることの出来る青みがかった空気が勢いよく上昇している。そのせいだろうか、妙に寒気がした。


 足場は腰の高さ程の柵で囲まれ、前方と左右に通路が延びている。同じような足場は全部で五つあり、その足場同士を同じく半透明の橋が五角形状に繋いでいる。


「静粛に!」


 声の主は前方の通路の最終地点である塔の中心にいた──あれは、第二騎士団長ベルリナ・ベルフラワーだ。先日会った時とはまるで別人のように、険しい目付きでネスを睨む。


「カートス樣、静粛に。他の破壊者様は既にお揃いですよ。すぐに儀式を始めます」

「なんだって……?」


 ネスの位置から二十メートル程の離れた一つ左側の足場にいるのは、腕を組んで目を瞑ったアンナだ。その更に左の足場には、仮面を着けたティファラが立っていた。


「ティファラ……」


 魔法でも使ったのだろうか。彼女は、自分よりも後に階段を上り始めたはずなのに。


「神聖なる儀式の場です。私語は慎んで頂きますよう。この場は私、騎士団総団長を務めます、ベルリナ・ベルフラワーが取り仕切らせて頂きます」

「ちょ……ちょっと待ってください!」


 目の前の柵に手を掛けネスは声を張り上げた。


「すいません、どうしてもアンナに伝えなきゃならないことがあるんです!」

「許可出来ません」

「少しだけでいいんです、お願いします!」

「許可出来ません」

「そんな……」


 アンナに伝えなければ──あなたの隣にいる仮面の女は、かつてあなたが殺した──ことになっている、ティファラ・マリカ・ラーズ──あなたを殺してエリックを取り戻そうとしているのだと。


「ネス」


 アンナは右目だけでネスを見ると、ベルを一瞥して続けた。


「話なら後でゆっくり聞くから、今は黙っていなさい」


 その言葉を聞いてティファラの口角が上がる。ただそれだけの動作なのに、ネスは背筋が凍った。


「今じゃなきゃ駄目なんだ! アンナ……」

「カートス様、そこまでです」


 ベルリナは厳しい口調でネスを制すると、ティファラのいる方へ腕を伸ばし、彼女に前進するよう促した。


「それではこれより開始いたします。風の破壊者ラーズ様からお願い致します」

「──はい」


 ティファラが返事をすると、彼女の前方の柵が音もなく消えた。これも魔法の一種なのだろうか。彼女は足早に目の前の橋を進んでいく。

 ベルリナの呼びかけにティファラが返事をした刹那、アンナは閉じていた目を見開いた。それを見て、ネスはわなわなと震え始めてしまう。


「アンナ!」


 ベルリナに制されて魔法をかけられようが攻撃を受けようが、知ったことではなかった。ネスに出来ることは、彼女の名前を叫び続けることだけだった。アンナの体が小刻みに震え出した。


「うそ……」


 アンナとこれだけ離れていても、彼女が小声で呟き続ける言葉が聞こえる。


「見ちゃ駄目だ! アンナ!」


 ネスの声はアンナに届かない。アンナの目に映るのはティファラの姿だけだった。橋を渡りきったティファラは仮面を外し、何やら呪文を唱えると、光輝く指先で額の神石(ミール)を取り外し、塔の中心の台座にそれを置いた。


「風の破壊者、ティファラ・マリカ・ラーズ」


 その瞬間台座が光りを放ち、振り返ったティファラの背を照らした。


 ネスは視線をティファラからアンナへ移した。呼吸困難に陥っているアンナは、らしくもなく床に崩れ落ちていた。「嘘でしょ」と呟きながらティファラをじっと見つめている。


「なんで……なんであんたが生きているのよっ!」


 ネスがアンナの名を呼ぶよりも大きな声だった。悲痛な叫び声は、何度も塔の中に反響した。


「あなた、自分で殺したわけじゃないのに、そういうことを偉そうに言うの、やめてくれる?」

「なっ……」

「すぐに殺してあげるから、とりあえず黙っていたら? 見苦しいわ」


 ティファラが来た道を戻ると、台座の横に控えていたベルリナが手を叩いた。


「御三方、静粛に! 続きまして火の破壊者様、お願い致します」


 ベルリナの言葉にハッと我に返ったアンナは、呼吸を整えて額の汗を拭うと立ち上がり、橋の手摺を頼りながら、ふらふらと塔の中心まで歩いていった。


「火の破壊者……アンナリリアン・ファイアランス・グランヴィ」


 首から下げたアンナの神石。彼女はその鎖を引きちぎって、乱暴に台座へ叩き付けた。


「ベル、あんた……全部知っていたんでしょ。あの女の正体も、こうなることも」

「はて? 何のことですかあ?」

「食えない奴」

「褒めてくれてありがとう」

「ほんと、嫌な奴ね」


 アンナは顔をしかめると、行きよりもしっかりとした足取りで自分の足場へ戻った。ひどく動揺していた先程よりも、多少顔色が良くなっているように見える。そんな彼女に、ティファラが容赦なく言葉を浴びせる。


「エリックは返してもらうわよ」

「──っ!」


 残酷なその言葉に、ネスはティファラを睨み付けた。とても楽しそうに笑っている様子が、不愉快極まりない。奥歯をギリギリと噛み締め、握る拳からは血がし


「あらネス・カートス。何か言いたげね」

「黙れよ」


 ネスはベルリナに促される前に、柵を飛び越え橋を走って渡った。


「カートス様、あなた自分の役目を理解しています?」


 ネスが橋を渡りきると、呆れ顔でベルリナが言った。


「あなたの旅の目的は、アンナさんを助けることじゃない──神石をここへ届けて世界の終わりを防ぐこと、なんですよお?」


 分かっています、と言うべきだったのかもしれない。しかし溢れ出た言葉は全く違うものだった。


「あなたには関係ない」

「へぇ、言うわね」

「すみません」


 早口に言うとネスは腕の神石を外した。


「水の破壊者、ネス・カートス」


 台座が輝きを放つのも見届けず、ネスは踵を返して走り出した。自分の足場に戻る橋ではなく、アンナのいる足場へと続く橋を渡りきる。


「アンナ! しっかりしてくれ、アンナ!」


 涙を流して頭を抱え、がたがたと震えるアンナの手を取り、ネスは焦点の合わない彼女の目を覗き込んだ。


「ネス、あたしっ……! お願い、ネス……! エリックは、エリックは……!」

「大丈夫だ、俺がいる」


 ネスはアンナの肩の怪我に触れないようにそっと彼女を抱きしめた。


 ずっと、大切な人を傍に置くことを避けてきたアンナは、それを失うことを恐れている。最強と呼ばれているにもかかわらず、大切な人を守れなかった過去がずっと、彼女に付きまとって離れないのだ。


「続きまして雷の破壊者様、お願い致します」


 ネスが定位置に戻らなかったことを、ベルリナは咎めなかった。こうして会話をしていても、もう何も言ってこない。何事も無かったかのように儀式は進行してゆく。



(……つくづく性格の悪い人だ。アンナを傷付けるのが、そんなに楽しいのか)



 橋を渡り出したエディンの姿を、ネスは遠目に見た。彼は頭に巻いている長いバンダナをほどきながら、足早に進む。


「あ……」


 ずっと不思議だった。ライル族のレスカではなく、何故エディンが()の破壊者なのだろうと。

「そういうことか」


 昨夜の戦闘時、ウェズは言っていた「自分は神力が使えない」と。そこで気が付くべきだったのかもしれない。


「雷の破壊者、レディン・ライル・ルーラン」


 神石を台座に置きながら、エディン・スーラことレディン・ライル・ルーランは言った。バンダナを外して露になった彼の髪はのてっぺんはライル族特有の鮮やかな橙色で、毛先にいくほど濃い茶色のグラデーションになっていた。


「染めてもすぐにこうなるんだよ」


 ネスの視線に気が付いたのか、エディンは右目の黒いコンタクトレンズを外し、服の襟首をぐい、と引き下げながら言った。彼の瞳は瑠璃色(コバルトブルー)で、左胸の上にはライル族の証である刺青が彫られていた。


「ネス、悪いがレスカには内緒にしていてくれ……色々と事情があってな……」

「ああ、分かったよ」


 その事情を知りたいと、ネスの中で好奇心の虫が騒ぎ始めたが、腕の中にいる真っ青なアンナに視線を戻した途端、這い出てきた虫達は一斉に消え失せた。彼女はエディンのことを知っていたのか、驚く様子もない。



(それどころじゃない、か)



「続きまして(ブラス)の破壊者様、お願い致します」


 ネスのいる位置のほぼ正面の足場にいる地の破壊者。体格的に男のように見えるが、フードを被り俯いて歩く彼の顔は、この角度から見ることは出来ない。


 何だろう、胸騒ぎがする。アンナも何か感じるものがあるのか、顔を上げて彼の姿を穴が開くほど見つめている。


「ねえネス、あたし、何だかすごく嫌な予感がするの」


 左側にいるティファラを一瞥して、アンナは地の破壊者に視線を戻す。


「そんなはずはないって分かっているのに、嫌な予感しかしない」

「ああ、俺も……なんとなく、わかるよ」


 次の瞬間──二人の嫌な予感は的中する。


「よう、アンナ……お前、またそんな怖い顔をして。そんな怖い顔ばかりしていると、折角の美人が台無しだぞ」


 フードを外した男は、緑色の神石を台座に置きながら声高らかに名乗りを上げた。


「地の破壊者──レンブランティウス・ファイアランス・グランヴィ」


 輝きだした台座の陰から現れたのは、アンナの兄、レンだった。彼が地の破壊者だというのか──



(──まずい。絶対にまずい)



「兄上が破壊者……?」



(ティファラが生きていたという事実だけでも壊れかけてしまったのに、こんな──こんな所で昨夜殺し損ねた兄に再会してしまったらアンナは──!)



「アンナっ!」


 ネスが体を離してアンナの顔を見ると、彼女は壊れたカラクリ人形のように、カタカタと笑っていた。間違いなく、初めて見る表情であった。


「はは……何よこれ、何よこれ……まあいいわ、この場で二人共殺せばいいだけの話だものね……」


 ゆらりとアンナが立ち上がったのを見て、抜刀したエディンがこちらへ向かってくるのが見えた。


「加勢するぞ、アンナ」

「遠慮しておくわ」

「しかし……」

「離れてないとあんたも死ぬわよ」


 アンナの目の色が変わっていた。あんなに絶望的な色をしていたのに、今は爛々とした殺意に満ちている。


「駄目だ……駄目だよアンナ!」


 ネスはアンナの肩を掴んだ。


「何でもかんでも殺せば解決するなんて思っちゃ駄目だ!」

「黙れ! あんたには関係ない!」


 怒りの炎に身を包んだアンナに触れていられなくなり、ネスは彼女から手を離した。


「あたしは殺し屋なんだよ、ネス。殺す以外、けじめの付け方なんて知らないもの」


 背中の黒椿をゆらりと抜きながらアンナは立ち上がる。


(このままでは駄目だ。ここで二人を殺したら、きっとアンナの心は遠くへ行ってしまう。彼女を止めるために、俺に出来ることは──)



 ネスは意を決して、炎に包まれたアンナの両肩に手を添えた。


「ぐ……ぅっ」



(熱い。自分の神力で腕を保護しているのに、なんて神力なんだ──!)



「ネス! あんた何やって……!」


 目を剥いたアンナの体から、炎が消え去った。彼女の右手にそっと手を添えてネスは口を開いた。


「そんな怖い顔するなよ……」


 初めてアンナに会った、あの雨の日。雨に打たれたあの時、ネスが掛けた一言で、彼女を酷く傷付けた。ちょっと体が冷えただけだと強がって、ネスから逃げた彼女。あの時ネスは彼女に、先程レンが言ったのと同じ言葉を投げつけたのだった──あんな台詞、もう吐かない。



(俺は、自分に正直になると決めたんだ。もう自分の心に嘘はつかない。この人が教えてくれたように。賢者になると誓ったあの時のように)



 揺れるアンナ瞳の中に飛び込む。一瞬、彼女の顔から険しさが消え去った。


「アンナ」


 彼女の愛する男が、彼女に掛けた言葉。ネスはそれを真似た。アンナを止めるために、守るために。


「またそんな怖い顔をして。ま、君はどんな顔をしていても魅力的だけどね」


 一呼吸置いてネスは付け足す。


「だから、ね、ここは俺に任せて」




 それを聞いた彼女の顔といったら──……。




アンナ、エリック、シナブル、ティファラの関係、伝わったでしょうか。

1章を読み直してもらえますと、関係性が繋がっていきます。

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