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【完結済】英雄と呼ばれた破壊者の創るこの世界で  作者: こうしき
最終章 hope―希望―

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*レミューラ・ライル・ユマの手記



 知っている方はごきげんよう。知らない方は初めまして。私はレミューラ・ライル・ユマと申します。今年で十八歳になる可憐な少女よ。自分で可憐だなんて言うなって? 失礼ね、人に言われたからそう名乗ったまでよ。『若い頃のお婆様に似て、可憐なお嬢さんね』って、ファイアランス王国の国王様に言われたんだから!


 それにしても、美人だったなあ、あの人……。


 話が逸れてしまったけど、私の父はライファス・ライル・ユマ。母はルミア・ライル・ユマ。父の姓と母の姓が同じなのは、私の父方の祖母と母方の祖母は姉妹だから。父方の祖母は未婚のまま父を生んだから旧姓のままなの。祖母の名前はレスカ──レスカ・ライル・ユマ。母方の祖母はレイシャ──レイシャ・ライル・ユマ。だから父と母の姓が同じなの。

 あ、因みに母方の祖母のレイシャも籍は入れてなかったんだって。なんでも一族から追いやられた想い人とこっそり愛を育んで(ルミア)を授かったとかなんとか……きゃー! きゃー! ロマンチックよね!


  ……って、格好をつけて書いていたのにこれじゃあ台無しね。書き直しだわ。うーん、でもこっちのほうがそれっぽくていいかもしれないわね。


 私がこれから書こうとしているのは、私の祖父の伝記。伝記なんて大それたものは書いたことなんてないから、上手く書けるかどうかはわからないけれど、やるだけやってみないとわかんないじゃない?


 祖父の名前はネス・カートス。私が生まれるよりもずっと前に、世界を救った英雄。子供の頃の私にに祖母のレスカが──おばあちゃんが沢山聞かせてくれたわ。それにさっき言ったファイアランス王国の国王様──アンナリリアン様にも話を訊かせてもらったこともあるもの。アンナリリアン様は短い間だったけれど、おじいちゃんと旅をしていたんだって! 凄いわよね。その旅の途中で祖母(レスカ)に出会ったみたいなんだけど、まあ色々あったみたいね。

 色々って何かって? まああれよ……男女のいざこざよね。祖母のレスカは祖父のネスと籍を入れずに一人で父を生んだみたい。ライル族は籍を入れなくても、子供を産んだら結婚したことになるっていう風習が昔はあったんだって。今じゃ考えられないわよね。それでも祖母は「結婚してないことにするから」と祖父に言っていたみたい。祖父も別にちゃんと家庭を持っていたみたいだし。


 とにかく、祖母は一人で父を産んだ。祖父には元々相手がいたみたいで、それに祖母が割り込んだみたいで……って、この話はここまで! 続きは伝記の中でちゃんと書くから勘弁してね。


 祖父は──それは凄い人だったみたい。破壊者(デストロイヤー)としての使命をこれ以上ないほどにまっとうして、己の体の一部を神様に捧げてまで、世界の崩落を──せかいのおわりと言われた災厄を食い止めたらしいわ。そのせいで長生きは出来なかったみたいだけど、私の父や……腹違いだけど叔母、それに叔父っていう子供にも恵まれて、それはそれは穏やかな最期だったらしいわ。


 今は何処かで転生して、幸せにくらしてくれているといいな。いつか会えるのならば会ってみたい。


 さてさて、前書きはこの辺りで終了ね。それにしてもこの素敵な伝記のタイトル、何にしようかしらね──。


 


ルミアはエディンとレイシャの間の双子の娘の一人です。レイシャとレスカは姉妹です。


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